2004 Fiscal Year Annual Research Report
未来社会に求められる科学的資質・能力に関する科学教育課程の編成原理
Project/Area Number |
15020272
|
Research Institution | National Institute for Educational Policy Research |
Principal Investigator |
小倉 康 国立教育政策研究所, 教育課程研究センター・基礎研究部, 総括研究官 (50224192)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 貞登 上越教育大学, 教授 (40230396)
人見 久城 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (10218729)
|
Keywords | 科学教育課程 / 科学的リテラシー / 科学的探究能力 / 諸外国教育事情 / 論理的判断力 / 創造的問題解決 / CASEプログラム / 認知的加速 |
Research Abstract |
米国,英国等での渡航調査と文献調査から,海外での科学的資質・能力の育成を目指した科学教育課程編成の基本原理について研究し,わが国における科学的資質・能力の育成を目指した科学教育課程の編成原理とその具体モデルについて検討するとともに,児童生徒への全国的な質問紙調査を行い,科学への学習意欲形成過程の分析することで,一般市民と将来の科学技術人材育成の両面から科学技術教育の在り方について検討した。 (1)前年度末に開催した「科学的探究能力育成のカリキュラムに関する講演会・フォーラム」の参加者への質問紙調査の結果を分析し,英国での科学的探究能力の育成の諸側面に関するわが国有識者の反応をまとめた。 (2)認知的促進(CA)プログラムについて,今年度,英国で開催されたCA研究学会の年次大会とワークショップに参加し,CASEとそれ以外のCAプログラムの研究と実践の状況について情報収集した。 (3)これまで収集分析してきた情報を基に,改革的な科学教育課程を編成する構成観点について学会報告した。その要旨は,構成の観点を,教育目標面,教育内容面,教育方法面,教育評価面,制度面,社会面という6側面と,大衆市民と科学技術の専門家の2対象との2次元の分析枠組みで捉えるものである。 (4)OECD/PISA調査で良好な結果を示しているフィンランドなど北欧の教育モデルについても,科学教育課程の編成原理の考察対象として検討した。その結果,中等教育段階での学力の学校間格差や個人の格差をできるだけ縮小し,どの学校に属しても高い水準の学力が達成されることを目指す北欧の教育モデルが高い効果を上げていることが示唆され,スウェーデンにおける科学技術教育について,専門家を招聘し情報を収集した。 (5)小中高等学校児童生徒への全国的な質問紙調査を行い,科学への学習意欲形成過程を分析した。
|