2003 Fiscal Year Annual Research Report
コンディショナルRac1欠損マウスを用いた発がんの研究
Project/Area Number |
15023237
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
饗場 篤 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20271116)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 育雄 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50335452)
|
Keywords | Rac1 / Rac3 / 発がん / 転移 / コンディショナルノックアウト / トランスジェニック / Cre / テトラサイクリン |
Research Abstract |
個体レベルでRhoファミリーG蛋白質Racの発がんに関する役割を検討するため、発がん・転移に関与すると考えられるRac1およびRac3をコンディショナルにノックアウトするマウスの作製を行なった。すなわち1)rac1遺伝子の開始コドンを含むエキソンをloxPで挟んだアリルを導入したヘテロ型racl(+/flox)マウス、2)rac3遺伝子の開始コドンを含むエキソンの5'非翻訳領域にloxPを導入し、rac3遺伝子の最終エキソンのpolyA付加シグナルの3'領域にloxP-HcRedを導入したヘテロ型rac3(+/flox-HcRed)マウスをfeeder free ES細胞を用いたジーンターゲッティング法により作製した。また、in situハイブリダイゼーション法によりrac1,rac3mRNAの発現を検討し、rac1は胎児期から体全体で強く発現しており、rac3は幼弱期から神経系での発現が強く、特に発達期に強いシグナルが脳全体で見られるが、成熟脳での発現は低いことが明かとなった。さらに、Rac1及びRac3の欠損とがん遺伝子の発現が同時に同一の細胞で起こるためのマウスの作成も行った。すなわち、乳腺特異的プロモーターMMTV-LTRの制御下にドキシサイクリン投与によって転写活性が抑制できるテトラサイクリン調節性トランス活性化因子(tTA)を発現するTgと両方向性のテトラサイクリン応答因子(TRE)制御下にCreとポリオーマウイルスミドルT(PyV-mT)を発現するTgの2重Tgを前年度7系統作成したのに加え、今年度プロモーターと翻訳領域の間にイントロンを入れる等構築し直したTgを4系統作製した。新たに作製した4系統の内、1系統では生後9週で腫瘍を形成した。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Kuwajima et al.: "Subcellular and subsynaptic localization of group I metabotropic glutamate receptors in the monkey subthalamic nucleus."J.Comp.Neurol.. (印刷中). (2004)
-
[Publications] Chida et al.: "Disruption of protein kinase Cη results in impairment of wound healing and enhancement of tumor formation in mouse skin carcinogenesis."Cancer Res.. 63. 2404-2408 (2003)