2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトプレB細胞よりBLM破壊株の作製とそ非相同的末端連結能の解析
Project/Area Number |
15023249
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
小山 秀機 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 教授 (40085626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 典隆 横浜市立大学, 木原生物学研究所, 助手 (30264675)
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Keywords | ブルーム症候群 / 癌 / 非相同的末端連結 / ヒト細胞 / ジーンターゲティング / BLM / DNAリガーゼIV / Ku70 |
Research Abstract |
高発がん性の遺伝病ブルーム症候群(BS)は、高頻度の姉妹染色体交換とともに欠失、転座などの染色体異常を示す。従来、この染色体異常を引き起こし発がんの原因となる可能性の高いエラープローンの非相同的末端連結(NHEJ)の解析はわずかしか報告がない。最近、我々はヒトプレB細胞Nalm-6およびNalm-6由来でNHEJに必須のDNAリガーゼIV(LIG4)欠損株から、ジーンターゲティングによりBLM破壊株と2重破壊株を取得した。本研究は、これら破壊株を用いて染色体上におけるNHEJ能を解析し、BSの高発がん性の原因とメカニズムを明らかにすることを目的として行い、以下の結果を得た。(1)各細胞株のNHEJ能を解析するため、hprt遺伝子座にSceI部位を組み込んだ株を作製した。この各株にpSceIベクターを導入し生き残ったクローン中でSceI部位の消失クローンを選択、PCRで連結部位を増幅し塩基配列を決定した。この方法により各株のNHEJ修復頻度と連結部位の構造を調べ、BLM破壊株は野生株とほぼ同じ頻度とサイズの欠失を示し、BLM破壊株でNHEJがほぼ正常に機能していることを見出した。一方、LIG4破壊株は高い頻度とより大きな欠失を示し、2重破壊株はそれがより顕著であった。一方、各破壊株の表現型を解析すると、(2)BLM破壊株の増殖能の大幅な低下、(3)姉妹染色体交換頻度の増大、(4)hprt座における突然変異頻度の増大、(5)DNA傷害剤MMS、HU、UVに高感受性を示した。しかし、(6)BLMとLIG4の2重破壊株において、増殖能、突然変異頻度、DNA傷害剤感受性がLIG4欠損により抑制されるという興味深い結果を得た。(7)Ku70遺伝子のヘテロ破壊株を作製できたが完全破壊株が得られず、Ku70が生存に必須の可能性がある。そこで、条件致死破壊株として作製を試みている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Adachi, N.: "Hypersensitivity of nonhomologous DNA end-joining mutants to VP-16 and ICRF-193 -Implications for repair of topoisomerase II-mediated DNA damage."J.Biol.Chem.. 278. 35897-35902 (2003)
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[Publications] Matsuzaki, Y.: "Vertebrate cells lacking FEN-1 endonuclease are viable but hypersensitive to methylating agents and H_2O_2."Nucleic Acids Res.. 30. 1-5 (2002)