2003 Fiscal Year Annual Research Report
アクチン結合蛋白フィラミンの分解による細胞移動調節とその分子基盤
Project/Area Number |
15024226
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Research Institution | 福井医科大学 |
Principal Investigator |
佐藤 真 福井大学, 医学部, 教授 (10222019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 秀司 福井大学, 医学部, 助手 (10303372)
永野 隆 福井大学, 医学部, 助教授 (70272854)
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Keywords | アクチン / 細胞移動 / 細胞骨格 / フィラミン / アクチン結合蛋白 / 葉状仮足 |
Research Abstract |
細胞の運動・移動のメカニズムの解明は、がん細胞の浸潤と転移の研究の基本をなす。我々は新規タンパク質FILIPを同定し、FILIPがアクチン結合蛋白フィラミンAの分解を促進し、細胞内に導入することにより、葉状仮足の形成の低下、細胞移動能の著しい低下をもたらすことを明らかとしてきた。しかしながら、FILIPを発現するものの、フィラミンAを発現せず、代わりに同分子に類似のフィラミンB、Cを発現する筋肉組織やがん細胞でのFILIPの機能はよくわかっていなかった。以上を踏まえ本年度は、以下の3つの実験を行った。 (1)筋肉細胞、がん細胞でのFILIPの機能を検討する FILIPがフイラミンB、Cとどのように関わるか検討を進めた。併せて、がん細胞でのFILIPの発現の有無を検討した。フィラミンBについては、確かにFILIPがその分解を促進した。又、FILIPを発現するガン細胞セルラインを同定した。今後、モデル細胞として使用する。 (2)FILIPノックアウトマウスを解析する 得られたノックアウトマウスは成体にまで成長した。現在、BrdUラベリングなどと併せ細胞移動との関連を検討している。 (3)FILIPによるフィラミン蛋白分解作用を分子レベルで詳細に検討する FILIPはアクチンが結合したフィラミンAは分解するものの、アクチンが結合していないフィラミンAには作用しない。この事実は、生物学的には整合性のとれる現象と考えられるが(むやみにフィラミンAを分解しない)、その仕組みは明確に説明できていなかった。そこで、我々は、フィラミンAの細胞内局在がその分解の有無に関連するのではないかと仮定し実験を進めた。その結果、フィラミンAに結合する分子を同定しその分子が膜に局在する分子と関連する事実を観察した。この点について、さらに検討を進めている。
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