2004 Fiscal Year Annual Research Report
到達運動のプリズム適応における大脳小脳神経回路機能連関の動的変化
Project/Area Number |
15029203
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
蔵田 潔 弘前大学, 医学部, 教授 (30170070)
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Keywords | 視覚運動変換 / 大脳皮質運動関連領野 / 小脳 / 視床腹側核群 / ニューロン活動 / 逆行性同定 / 運動関連活動 / 運動関連活動 |
Research Abstract |
ヒトやサルが行う上肢による到達運動には脳内における視覚情報から運動情報への変換が必要である。これまでの研究により、座標変換系として運動前野腹側部が重要な役割を果たしていることを明らかにしてきたが、本年度の研究では座標変換系における学習系として小脳から運動前野腹側部への経路がどのような機能を果たしているかを調べるため、以下の実験を行った。第一に、プリズム適応に特異的変化をする運動前野腹側部ニューロンを同定し、その存在部位に標識物質(BDA)を注入し、この領域に投射する視床核が主に領域Xであることを確認した。第二に、運動前野腹側部および他の皮質運動関連領域に投射する視床ニューロンが視覚運動変換に際してどのような活動をしているのかを記録し解析した。実験ではニホンザルに手首の屈曲・伸展運動を示す視覚指示信号を呈示し、1.5-3.0秒の準備期間の後、異なる感覚信号の種類(視覚・聴覚・体性感覚)による運動の契機信号を呈示した。サルは契機信号に応答して正確な運動を行うよう訓練した。訓練終了後、大脳皮質に存在する運動関連領域に刺激電極を埋め込み、領域Xを含む視床腹側核群を中心に記録を行い、逆行性同定により皮質領域への投射を確認した。この視床の大脳皮質投射ニューロンには、運動の直前に活動を開始する運動関連活動と、準備期間に視覚指示信号に応答して持続的に発火の変化をする準備関連活動の存在を明らかにした。また運動関連活動は運動が同一であれば感覚信号の種類によらず同様の活動を示しており、投射先の非一次運動野の活動との差異を明らかにした。この結果は、小脳大脳機能連関が座標変換に必要な運動のパラメーター生成と運動開始のタイミング生成に主要な役割を果たしており、感覚の種類ごとの感覚運動変換には重要な寄与をしていないことを示唆すると考えられる。
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Research Products
(5 results)