2004 Fiscal Year Annual Research Report
報酬回路におけるモノアミン・オピオイド神経伝達の分子機構
Project/Area Number |
15029204
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
曽良 一郎 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40322713)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沼地 陽太郎 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (00261636)
池田 和隆 (財)東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 主任研究員 (60281656)
山本 秀子 (財)東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 研究員 (60211645)
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Keywords | ノックアウトマウス / 情動 / モノアミントランスポーター / オピオイド受容体 / 免疫組織染色 / コカイン / 脳内微少透析法 / ストレス |
Research Abstract |
報酬回路は情動と密接に関係する高次神経回路であり、多くの精神疾患での機能異常が想定されている。報酬回路では中脳皮質辺縁系ドーパミン神経系が中心的な役割を果たしていると考えられていたが、我々は他のモノアミンやオピオイド神経伝達の関与についても検討した。 1.モノアミンの報酬に関する研究 報酬効果に関する脳内モノアミン神経伝達を解析することを目的に脳内微少透析法を用いて検討した。報酬行動の獲得に深く関与する快情動の記憶・学習には、中脳辺縁ドーパミン(DA)系神経伝達に加えてセロトニン(5-HT)神経伝達も関与することを申請者らは見出した。またコカインによる場所嗜好性試験による報酬に対応して細胞外ドーパミン濃度が増加したのは、線状体であることがわかった。コカインの報酬にはドーパミントランスポーター(DAT)だけでなく、セロトニントランスポーター(SERT)が共に関与し、さらに同族トランスポーターの補完作用が存在する可能性を示した。さらに同族トランスポーターの補完作用を示すため免疫組織染色法を用いてDA神経内に5-HTの存在を示した。 2.オピオイドの報酬・意欲に関する研究 オピオイドの報酬効果はミューオピオイド受容体(μOR)を標的分子とすることがミューオピオイド受容体欠損マウス(μOR-KO)の行動解析から、我々は明らかにした。本研究では報酬・意欲に関する脳内オピオイド神経伝達の役割を解析することを目的に検討した。 μオピオイド受容体ノックアウト(MOR-KO)マウスにおいて、テイルサスペンション法と水車法による逃避意欲試験を行い、MOR-KOマウスではストレス負荷による意欲低下に耐性を示すことを示した。
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Research Products
(30 results)