2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15029252
|
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
川口 泰雄 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (40169694)
|
Keywords | 前頭皮質 / 非錐体細胞 / コラム構造 / GABA / 介在ニューロン / 発火様式 / 軸索分枝 / シナプスブトン |
Research Abstract |
大脳皮質の神経細胞が、どのような基本的な規則によって結合しているのかはまだよくわかっていない。皮質内の配線は、皮質細胞の軸索の伸長・分枝の仕方や、それに沿ってのシナプス結合の作り方で決まる。皮質の介在ニューロンである非錐体細胞は、かなり多様であり、その各サブタイプは、固有のルールで軸索分枝やシナプス形成している可能性がある。先ず、軸索ブトンがシナプス結合を作っているのを確認し、生理的に同定した非錐体細胞の細胞体・樹状突起・軸索の形態的パラメーターから、定量的にサブタイプを決めた。その後、各サブタイプについて、軸索分枝・シナプスブトン形成の局所的な性質を定量化して、比較した。その結果、次のようなことがわかった。(1)各サブタイプは、(i)軸索ブトンの細胞体にシナプスする割合、(ii)軸索の分枝する頻度、(iii)細胞体より白質側にあるブトンの割合などで同定できる。(2)軸索分岐点(ノード)での分枝間角度や軸索の曲がりくねりには、サブタイプ間で差がみられない。(3)ノードの間の距離は指数分布し、その平均(標準偏差に等しい)は細胞ごとに異なる。(4)シナプスブトン間距離も指数分布し、その平均は細胞ごとに異なる。(5)ノード間距離とブトン間距離は、独立に決まっていて、各サブタイプはそれらの値の固有の組み合わせをとる。非錐体細胞のサブタイプは、軸索に沿っての分枝・ブトン形成は同じ分布型をとるが、その間隔の組み合わせは、タイプごとに異なり、それぞれ、局所的なシナプス結合の強さ、後シナプス構造の選択に関連していると考えられる。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Kawaguchi., Kondo S.: "Parvalbumin, somatostatin and cholecystokinin as chemical markers for specific GABAergic interneuron types in the rat frontal cortex."J.Neurocytol. 31. 277-287 (2003)
-
[Publications] Karube F., Kubota Y., Kawaguchi Y.: "Axon branching and synaptic bouton phenotypes in GABAergic nonpyramidal cell subtypes."J.Neurosci. 24(印刷中). (2004)
-
[Publications] Kawaguchi Y.: "Local circuit neurons in the frontal cortico-striatal system. In Excitatory-Inhibitory Balance : Synapses, Circuits and Systems Plasticity (ed Hensch T, Fagiolini M)"Kluwer Academic/Plenum Publishers, New York.. 23 (2003)