2004 Fiscal Year Annual Research Report
hnRNP D、FMRP及びアプタマーによる遺伝情報発現制御の分子基盤
Project/Area Number |
15030214
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
片平 正人 横浜国立大学, 大学院・環境情報研究院, 助教授 (70211844)
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Keywords | hnRNP / テロメア / テロメラーゼ / 4重鎖 / 癌化 / 立体構造 / NMR / アプタマー |
Research Abstract |
(1)hnRNP Dタンパク質-テロメアDNA テロメア配列DNA d(TTAGGG)とhnRNP Dタンパク質の2つ目の核酸結合ドメイン(BD2)の複合体の構造をNMRにより決定した。BD2はd(TTAGGG)のT2,A3,G4の3残基と主に相互作用していることが分かった。T2の塩基はY244,E253及びK255の側鎖と水素結合を形成していた。A3及びG4の塩基は各々F185及びF227とスタッキング相互作用をしていた。またA3の塩基はA257及びM258と疎水相互作用を、一方G4の塩基はK183の側鎖及びM258の主鎖と水素結合を形成していた。G4に関しては、リン酸基との静電相互作用も見られた。 テロメア配列のDNAは生理的なイオン環境下で、容易に4重鎖構造を形成する。hnRNP Dは複合体形成に伴ってこの4重鎖をアンフォールドする事が滴定実験より分かった。この活性を利用してDNAに対する分子シャペロンとして働く事で、hnRNP Dはテロメア伸長を制御している可能性がある。 (2)HIV Tatタンパク質-RNAアプタマー Tatタンパク質のRNA結合部位の部分ペプチドであるRKKRRを用いRNAアプタマーとの複合体の解析を行った。RKKRRの添加によってRNAアプタマーに大きな構造変化が生じることが分かった。またアルギニンアミドはRNA1分子あたり2分子結合したのに対し、RKKRRはRNAアプタマー1分子あたり1分子のみ結合することが分かった。RNAアプタマーには上下2つのタンパク質結合ドメインがある。RNAとRKKRR間の分子間NOEに基づき、結合様式の概略を決定した。上下の結合ドメインでTatタンパク質の異なる2つのアルギニン残基と同時に結合することで、RNAアプタマーは高い親和性を発揮していると考えられる。
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Research Products
(5 results)