2003 Fiscal Year Annual Research Report
HIVのゲノムRNA二量体化およびパッケージングに関する解析
Project/Area Number |
15030226
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
櫻木 淳一 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (90273705)
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Keywords | HIV / RNA / パッケージング / 二量体化 / 粒子形成 / ウイルス / 高次構造 |
Research Abstract |
HIVのウイルス粒子内でRNA一本鎖ゲノムは非共有的に結合した二量体として存在している。これによりウイルスは相同組換えによる遺伝的多様性の獲得や、ゲノム損傷の補償を行っていると言われる。しかしそれらの理由が二量体化という複雑で手間のかかるイベントを、物理的制約を抱えるウイルスが捨てずにいることを十分説明できるとは考えにくい。 本研究で研究代表者は、HIV-1ゲノムRNA上のパッケージングシグナル/二量体化シグナル(E/DLS)領域をゲノムRNA上に複数配置することにより、HIV-1正常粒子中に単量体化したゲノムが生成することを見いだした。この現象を応用してウイルス粒子内でのゲノム二量体化をパッケージングと切り離して解析するシステムを構築することに成功した。このシステムを用いた解析の結果、パッケージングシグナルは二量体化シグナルよりもずっと広い範囲に存在していること、二量体化能に重要な領域はすべてパッケージングにも重要であること、そして一部の領域ではこの二つの機能が相関していることなどを明らかにすることができた。 このことはHIV-1のゲノムパッケージングというプロセスにおいて、E/DLS領域のRNAが二本結合して形づくる構造がパッケージングシグナルとして認識されるという段階が存在する可能性が考えられる。つまりHIV-1ゲノム二量体化は、複数のステップからなるゲノムパッケージングという機構のうちの必須な1ステップであるという可能性を強く示唆するものである。この仮説は長年の命題であった二量体化の理由に対する簡潔で合理的な説明となり得るものと考えられる。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Jun-ichi Sakuragi, Shigeharu Ueda, Aikichi Iwamoto, Tatsuo Shioda.: "Possible role of dimerization in human immunodeficiency virus type 1 genome RNA packaging"JOURNAL OF VIROLOGY. Vol.77, No.7. 4060-4069 (2003)