2003 Fiscal Year Annual Research Report
翻訳フレームを持たない新規なポリAプラスRNA群の機能解析
Project/Area Number |
15030227
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野島 博 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (30156195)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥崎 大介 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (00346131)
薮田 紀一 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (10343245)
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Keywords | 分裂酵母 / 減数分裂 / 胞子壁形成 / 電子顕微鏡 / 遺伝子組み換え / non-coding RNA / ペプチド / ノーザン解析 |
Research Abstract |
我々は分裂酵母において68種類のnon-coding RNAを見出し、それらの幾つかについての機能解析を行ってきた。そのうちの一つを解析していく過程で、減数分裂期にサイズと発現時期が異なった3種類の転写産物が発現している約5kbのゲノム領域を見出した。ノーザン解析とcDNAクローニングから、この領域では3つの遺伝子が近接しており、また、これらの遺伝子の転写単位は重複していることが明らかになった。そこで、我々はこれらの遺伝子をomt1^+、omt2^+、omt3^+(overlapping meiotic transcripts)を命名した。omt1^+、omt2^+遺伝子は107あるいは96アミノ酸の蛋白質をコードするが、omt3^+遺伝子は20アミノ酸程度の大きさのペプチドしかコードできないためnon-coding RNAの遺伝子であると考えられる。GFP-Omt1,GFP-Omt2は融合蛋白質として検出され、細胞内でも局在が観察されることから機能ある蛋白質を生成すると考えられる。実際、omt1^+とOmt2^+遺伝子を破壊すると胞子に異常が観察され、電子顕微鏡観察からは胞子壁に異常が観察された。また、免疫電子顕微鏡観察により胞子壁成分の一つである1,3-β-グルカンの局在を調べたところ、野生株では胞子壁の内側に均一に局在しているのに対し、破壊株ではそれぞれの胞子において不均一に局在していた。このように、omt1^+とomt2^+遺伝子は胞子壁形成において何らかの機能を担っていることが示唆された。しかしomt3^+遺伝子は破壊しても胞子形成には異常は見られなかった。一方、omt2^+とomt3^+遺伝子破壊株は遺伝子組み換え効率に異常を示した。これらの結果から、omt3^+遺伝子が生成するnon-coding RNAには減数分裂の遺伝子組み換え反応において何らかの機能を持つことが示唆されると結論した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kakihara, Y., Nabeshima, K., Hirata, A., Nojima, H.: "Overlapping omt1^+ and omt2^+ genes are required for spore wall maturation in Schizosaccharomyces pombe."Genes to Cells. 8・6. 547-558 (2003)
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[Publications] Okuzaki, D., Watanabe, T., Tanaka, S., Nojima, H.: "The Saccharomyces cerevisiae bud-neck proteins Kcc4 and Gin4 have distinct but partially-overlapping cellular functions."Genes Genet.Sys.. 78・2. 113-126 (2003)
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[Publications] Okuzaki, D., Satake, W., Hirata, A., Nojima, H.: "Fission Yeast meu14^+ is required for proper nuclear division and accurate formation of forespore membrane during meiosis II."J.Cell.Sci.. 116・13. 2721-2731 (2003)