2003 Fiscal Year Annual Research Report
インターフェロン誘導型抗ウイルス機構主要酵素リボヌクレアーゼLの構造と機能
Project/Area Number |
15030237
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
中村 和郎 昭和大学, 薬学部, 教授 (00012675)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 信忠 昭和大学, 薬学部, 講師 (00286866)
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Keywords | リボヌクレアーゼ / インターフェロン / アンキリンリピート / X線 / 2-5A / 結晶構造解析 / 核酸 / タンパク質 |
Research Abstract |
N末端側のアンキリンリピートドメイン(以下ANKと略、このドメインに2-5Aが結合し、RNase Lを2量体化させ、活性化するという仮説が現在は受け入れられている)に関して、2-5Aとの複合体として、我々は結晶化に成功した。得られた結晶は斜方晶系に属し、その空間群はP2_12_12_1、格子定数はa=63.02Å,b=72.96Å,c=82.45Åである。兵庫県播磨にあるSPring-8のビームラインBL41XUにおいて、回折強度データの収集を行い、2.1Å分解能までのデータを収集した。非対称単位あたりの分子数は1で解析に好都合である。回折データの完全性は99.6%と良好であり、独立な反射の総数は22,862個であった。大腸菌によるヒトANKの発現・精製は非常に難しいため、N末端にHis-tagを付加したANKの発現系を構築した(His-ANKと略)。His-ANKに関しても、上記と同じ空間群、類似の格子定数の結晶が得られている。また、興味深いことに、ANKのC末端にHis-tagを付加したANK(ANK-His)に関しても、類似の結晶が得られている。これまで、各種タンパク質のアンキリンリピートドメインの立体構造が数種類報告されているが、我々が得ているANKは、RNase LのN末側ドメインの9回繰り返し構造全てを含むものであり、結晶化に成功した最長のアンキリンリピートドメインである。ごく最近になって、上記の回折データに基づいて、予備的ながら、ANKの立体構造の解析に成功しつつある。電子密度上で、確かに2-5Aが結合していることを確認しており、現在その構造の精密化を進めているところである。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Tanaka, Nakamura, et al.: "Crystallization of the N-Terminal Ankyrin Repeat Domain of the 2-5A-Dependent Endoribonuclease, RNase L"Protein and Peptide Letters. (発表予定). (2004)