2003 Fiscal Year Annual Research Report
メリステム形成・維持に必須な細胞接着関連遺伝子の探索と機能解明
Project/Area Number |
15031203
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
佐藤 忍 筑波大学, 生物科学系, 助教授 (70196236)
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Keywords | ペクチン / グルクロン酸 / 変異体 / 転移酵素 / タバコ / 不稔 / 雌しべ / 花粉管 |
Research Abstract |
半数体Nicotiana plumbaginifoliaの葉切片にT-DNAを導入し不定芽形成能力の喪失と共に細胞接着性の低下した変異体を作出した。この系で同定されたNpGUT1(glucuronyltransferase 1)はペクチン多糖にグルクロン酸を転移する新規酵素をコードするペクチン合成に関わる初めての遺伝子で、頂端分裂組織で特に発現が強かった。また、変異体のペクチンではホウ素を介した分子間架橋が形成されなかった。 NpGUT1::GUS形質転換タバコにおいてNpGUT1は、未熟種子胚の全体(特に幼根)、発芽直後の子葉・茎頂、芽生えの茎頂および篩部で発現を示した。そこで、形質転換体においてDEXによりアンチセンスNpGUT1を誘導したところ、種子発芽時には子葉展開期までは影響が出なかったのに対し、本葉が出るステージになって、葉序に異常が生じ、全体的に黄化することがわかった。花においては、タペート組織、成熟花粉、花粉管の先端部、花柱の伝達組織においてNpGUT1の発現が見られ、伝達組織では、受粉後に花粉管が伸長し胚珠を目指す際、花粉管との間での細胞接着が行われると考えられるが、それらの組織の形成と機能にNpGUT1が重要であることが予想された。そこで、若い蕾(未熟な雄蕊)においてDEXによりNpGUT1の発現を抑制したところ、成熟した約75%の葯には正常な花粉が形成されなかった。一方、正常な花粉をDEX存在下において発芽させたところ、約75%が発芽せず、また発芽花粉にDEXを与えると、花粉管伸長が著しく阻害された。このことより、NpGUT1は花粉の形成・発芽、花粉管の伸長に重要な役割を果たしていると考えられた。また、未熟な雌蕊をDEX処理したところ、ほぼ全ての花柱において伝達組織の形成に異常が生じ、不稔となった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] H.Iwal, M.Usui, H.Hoshino, H.Kamada, T.Matsunaga, K.Kakegawa, T.shii, S.Satoh: "Analysis of sugars in squash xylem sap"Plant Cell Physiology. 44. 582-587 (2003)