2003 Fiscal Year Annual Research Report
生殖細胞の形成と受精、および初期発生の生理分子機構
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15031206
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
東山 哲也 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (00313205)
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Keywords | 植物 / 生殖細胞 / 受精 / 花粉管 / 助細胞 / 誘引物質 / 遺伝子導入 / マイクロインジェクション |
Research Abstract |
花粉管活性化機構の解析 助細胞が分泌する誘引物質に対する花粉管反応性のアッセイ系を開発した。不完全に反応性を示すものも含めると、in vitro重複受精系においては約6割の花粉管が反応性を有していた。花粉管は花柱組織を通過し、培地上に出てから反応性を獲得することがわかった。解析の結果、胚珠組織に由来する活性化物質の存在が明らかとなり、花柱を通過した花粉管がさらに胚珠組織により活性化されるという2段階の機構の存在が明らかとなった。活性化物質は胚珠の胞子体組織に由来し、胚嚢の成熟(誘引物質の分泌)に合わせて分泌された。活性化物質には強い種の特異性が存在し、たとえば近縁のアゼトウガラシ属の中でも、アゼトウガラシやスズメノトウガラシの胚珠ではほとんど活性化されないことがわかった。活性化物質は限外ろ過で100kDa以上に分画され、熱耐性を示し、プロテアーゼにも耐性を示した。糖鎖の関与を考慮し、さらに物質の同定を目指して解析を進めている。 花粉管誘引物質の解析 種の特異性に注目し、誘引物質の性質についてまとめた。誘引物質には上述の活性化因子よりもさらに強い種の特異性が存在し、アゼトウガラシ属の中ではウリクサの助細胞の誘引物質にだけトレニアの花粉管が反応した。この特異性は用いる花柱組織の植物種には影響されず、また実際in vivoでの種間交雑でも生殖隔離の一因となる可能性が示唆された。 雌性配偶体の遺伝子導入技術の開発 トレニアの雌性配偶体のトランジェントな形質転換系の開発を進めた。その結果、パーティクルガン法で低頻度ながら安定して形質転換がおこることがわかった。シロイヌナズナの配偶体特異的アクチン遺伝子ACT11のプロモーターがトレニアで良好にはたらくことも明らかとなった。狙った細胞や特定の核だけに遺伝子導入するために、効率良くかつ簡便にマイクロインジェクションを行う方法の開発も進めた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Higashiyama T., Kuroiwa H., Kuroiwa T.: "Pollen tube guidance: beacons from the female gametophyte."Current Opinion in Plant Biology. 6. 36-41 (2003)
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[Publications] Miyagishima S., Nishida K, Mori T., Matsuzaki M, Higashiyama T., Kuroiwa H., Kuroiwa T.: "A plant-specific dynamin-related protein forms a ring at the chloroplast division site."Plant Cell. 15. 655-665 (2003)
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[Publications] Mori T., Kuroiwa H., Higashiyama T., Kuroiwa T.: "Identification of higher plant GlsA, a putative morphogenesis factor of gametic cells."Biochem.Biophysic.Res.Comm.. 306. 564-569 (2003)
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[Publications] Yagisawa F., Mon T., Higashiyama T Kuroiwa H., Kuroiwa T.: "Regulation of Brassica rapa chloroplast proliferation in vivo and in cultured leaf disks."Protoplasma. 222. 139-148 (2003)
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[Publications] 東山哲也: "高等植物の受精における物質の関与"植物の生長調節. 印刷中. (2004)