2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15031207
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
経塚 淳子 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (90273838)
|
Keywords | イネ / 腋芽分裂組織 / LAX / マイクロアレイ / 遺伝子ネットワーク / 転写因子 |
Research Abstract |
私たちが解析しているLAXはイネの腋芽分裂組織形成に必須の遺伝子であり、lax変異体では穂の分枝形成および花芽形成が著しく抑制される。LAX遺伝子はHLHドメインを持つ転写調節因子をコードし、LAX mRNAは腋芽形成時にSAMと腋芽形成予定領域との境界部で層状の発現を示す。 今年度の成果 1.LAX遺伝子の解析 ・分子マーカーを用いたLAX機能の解析 LAXは分裂組織の開始ではなく、維持に関与することが示唆された。 ・LAXの下流因子の単離 マイクロアレイ解析によりLAXにより発現が誘導される遺伝子65個を同定した ・LAX2量体パートナーの単離 LAXとヘテロ2量体を形成するbHLH遺伝子を同定した。 2.イネ穂形成時に発現する遺伝子の網羅的解析 穂の分枝形成時に発現が変化する遺伝子378個を同定した。穂の発生開始直後には少数の転写因子の発現の上昇が顕著であり、それ以降はさまざまな機能の多数の遺伝子の発現が上昇・下降した。これらの、発現パターンをin situ hybridization法により詳細に解析した。これらの情報は発生や成長に伴う遺伝子発現の変化を解析するための遺伝子マーカーとしても貴重である。 興味深いことに、これらのうち2クローン(103、109、ともに転写因子)はLAXとほぼ同じ発現パターンを示した。特に、103遺伝子の発現はlax変異体で消失しLAXの誘導により著しく上昇したことから103はLAXの下流因子であると考えられた。一方、109の発現はlax変異体でもLAX発現誘導によっても変化せず、109はLAXの上流あるいはLAXとは独立に機能していると考えられた。
|
Research Products
(2 results)