2004 Fiscal Year Annual Research Report
ウキクサの花芽形成時に分裂組織で発現する左右非対称性の分子機構解明の試み
Project/Area Number |
15031215
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小山 時隆 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30324396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 孝男 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10124223)
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Keywords | 高等植物 / ウキクサ / 分裂組織 / 花芽誘導 / 光周性 / 概日リズム / 発光レポーター / 左右軸性 |
Research Abstract |
本研究はウキクサの花芽形成時に見られる左右非対称性の分子機構解明を目指して、花芽誘導シグナルの未分化分裂組織への伝達様式を明らかにすることを目的とする。今年度までにウキクサを用いた研究手法の開発やマーカー遺伝子等の研究材料収集を進め、基本的な解析(法)をほぼ完成させた。以下に具体的な成果を示す。 1)組織切片による詳細な解剖学的解析をすすめ、分裂組織の成長過程を記述した。花芽を生じる側では、フロンド原基と花芽原基の形態的な差異が発生の極初期段階で観察されることを明らかにした。また、ウキクサ個体(根以外)の連続切片を作製し、個体全体の3D再構成を行い、組織学的に網羅的な解析の可能性を示した。2)分裂組織中の細胞分裂活性を、Histon H4遺伝子をプローブにしたin situ hybridization法を用いて検出した結果、フロンド原基・分裂組織全体に分裂活性シグナルが確認できた。しかし、原基・分裂組織内の左右非対称性を検出するには至っていない。3)昨年度開発したパーティクルガンによる一過的な遺伝子導入法(ルシフェラーゼをレポーターとする)を改良し、さらに半定量的な手法を導入することにより、信頼性の高い遺伝子発現解析法を確立した。4)一過的な遺伝子導入法により生物発光リズムとして概日リズムを検出する方法を確立したが、この系でウキクサの概日時計関連遺伝子の機能解析を行い、LHY、ELF3ホモログがシロイヌナズナ同様に時計機能を持つことを示した。5)遺伝学的なアプローチとして、自家受粉の繰り返しによる純系ウキクサ作製を行った。光周性花芽誘導形質や、個体の大きさが異なった株を純系として確立した。 これらの成果はウキクサの左右性形成機構を含め、分裂組織分化機構へアプローチする手がかりであり、ウキクサの特質を生かした今後の展開につながると考えられる。
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Research Products
(3 results)