2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15031221
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高橋 陽介 広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90183855)
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Keywords | ジベレリン / 転写調節因子 / 14-3-3 / 細胞内局在制御 / リン酸化 |
Research Abstract |
植物の主軸は茎頂-根端軸であり、その軸性を端的に現している器官が茎である。茎の細長い形態は器官を構成する個々の細胞の軸方向に偏った細胞伸長に依存している。ジベレリン(GA)は植物の伸長生長に顕著な促進作用を示す植物ホルモンである。RSGは我々がタバコからクローン化したbZIP型転写因子である。RSGの機能を阻害すると茎の伸長生長が著しく抑制される。我々はRSGの標的遺伝子の一つがGA合成系のent-カウレン酸化酵素遺伝子であることを見出した。さらに14-3-3タンパク質がRSGの細胞内局在制御を介してRSGの機能を負に調節していることを明らかにした。本研究ではGAによる茎の伸長生長制御の分子機構を明らかにすることを目的とし、転写因子RSGのGAによる機能制御の分子機構について解析した。 前年度までの解析から植物体のGA内生量をGA生合成阻害剤により低下させるとRSGは核に蓄積し、GAを投与すると逆にRSGは核から消失することを明らかにしてきた。14-3-3と結合しない変異型RSG(S114A)は野生型RSGと異なりGAの刺激を受けても核に局在し続けることから、GAによるRSGの核からの消失には14-3-3との結合が必要であることが示された。GA信号伝達系の負の調節因子RGA,SLRなどはGA信号を受容すると分解され、核から消失する。GAによるRSGの核からの消失にもタンパク質分解が関与しているのかを調べるため、GA投与後のRSG-GFP融合タンパク質および内在性RSGの量的変動をウェスタン法により調べた。その結果、GA内生量を低下させてもGAを投与してもRSGタンパク質の顕著な量的変動は認められないことが判明した。したがってGAによるRSGの機能制御において主要な役割を果たしているのはタンパク質分解ではなく、14-3-3との結合を介した細胞内局在調節と考えられる。
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Research Products
(1 results)