2003 Fiscal Year Annual Research Report
シャペロン依存的Ub化酵素と相互作用する新規プロテアソームサブユニットの機能解析
Project/Area Number |
15032201
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川原 裕之 北海道大学, 薬学研究科, 助教授 (70291151)
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Keywords | プロテアソーム / ユビキチン / シャペロン / リガーゼ / 蛋白質 / 分解 |
Research Abstract |
本研究ではプロテアソームの基質識別サブユニットのひとつが、プロテアソーム本体とユビキチン化装置とを結びつけているという我々の最近の研究結果を基盤に、この巨大超分子複合体がターゲット基質を選別する上でどのような調節を受けているかという新たな課題を検討することを目標にしている。これまでの申請者の実験結果からプロテアソームユビキチン認識サブユニットの一つがシャペロン、2型ユビキチン様蛋白質およびシャペロン依存性ユビキチンリガーゼと巨大多成分複合体を形成しうることを突き止めた。申請者は2型ユビキチン様蛋白質がプロテアソームとシャペロン依存性ユビキチンリガーゼを仲立ちする重要なアダプター的役割を果たしていることの証拠を既に蓄積しつつあり、本研究ではこのことの意義を中心に網羅的な解析を進めつつある。具体的には、シャペロン依存性ユビキチンリガーゼが、プロテアソームユビキチン認識サブユニットと共同して認識するターゲット蛋白質を同定して、タンパク質の動態制御における意義を明らかにしつつある。この研究は細胞運命決定の新たな制御機構を指向するものであり、新しい蛋白質代謝のメカニズムを解明する研究に発展する可能性が高いものと考えられる。さらに本研究では、プロテアソームとシャペロン依存性ユビキチンリガーゼの協調機構の解明を目指すべく、逆遺伝学的方法を利用した機能解析を行っている。申請者は既に、線虫C.elegansのRNA干渉法を用いてプロテアソームユビキチン認識サブユニットとシャペロン依存性ユビキチンリガーゼ経路が生殖細胞の形成と恒常性維持に必須であることを見い出している。我々はさらにこの系に新しくプロテオミクス的手法を導入することによって、この現象における蛋白質品質管理の意義を遺伝学的・生化学的に明確にする新技術を開発することを目指している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Sato N.et al.: "Phoshorelay-regulated degradation of the yeast Ssklp response regulator by the ubiquitin-proteasome system"Mol.Cell.Biol.. 23. 6662-6671 (2003)
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[Publications] Sakata E.et al.: "Parkin binds the Rpn10 subunit of 26S proteasome through its ubiquitin-like domain"EMBO Rep.. 4. 301-306 (2003)
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[Publications] Kawai et al.: "Regulation of ascidian Rel by its alternative splice variant"Eur.J.Biochem.. 270. 4459-4468 (2003)
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[Publications] Kinouchi T.et al.: "Mammalian D-aspartyl endopeptidase : a scavenger for noxious racemized proteins in aging."Biochem.Biophys.Res.Comm.. 314. 730-736 (2004)
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[Publications] 佐伯泰, 川原裕之, 横沢英良: "ユビキチンと相互作用するドメイン構造"実験医学. 21. 340-345 (2003)
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[Publications] 川原裕之, 嶋田益弥: "ポストシークエンスタンパク質実験法 第4巻"東京化学同人. 20 (2003)