2004 Fiscal Year Annual Research Report
クロマチンタンパク質による核膜の構造形成とアポトーシスの誘導機構の解析
Project/Area Number |
15032213
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
古川 和広 新潟大学, 理学部, 助教授 (40229109)
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Keywords | BAF / アポトーシス / 核構造 |
Research Abstract |
真核細胞の細胞内に見られる核膜(nuclear envelope)は真核生物に特徴的な膜構造でありゲノムの機能の正確な制御に重要な機能を持っている。この核膜を構成するタンパク質の損失はアポトーシスや遺伝子疾患の原因となることがわかっている。私たちはこの核膜の機能を明らかにするため研究を進めており、核膜タンパク質と特異的相互作用するクロマチンタンパク質、BAFの存在を明らかにしている。現在このBAFの機能解析を行っているが、ショウジョウバエにBAFのnull変異を導入すると核膜の主要なタンパク質であるラミンの重合が異常となり核膜の構造が大きく変化することと、細胞分裂が間期周辺で停止し異常なDNA複製が生じることを見いだしている(Furukawa et al., J Cell Sci 2003)。私たちはさらにBAFnull変異体の発生を初期から詳細に解析した結果、成虫原基組織で核が異常に凝集しており、TUNEL反応を用いアポトーシスが高頻度で起こっていることを見いだした。そこでエフェクターカスパーゼであるDrlCEの活性化型に対する特異的抗体を用いて免疫染色しアポトーシスの状態をさらに観察した。その結果、TUNEL反応と同様に、成虫原基組織では活性化型DrlCEの強いシグナルが容易に検出できたが、神経組織では活性化型DrlCEシグナルは検出できなかった。また成虫原基組織においては、アポトーシスが誘導されていない(活性化型DrlCEが検出されない)細胞の核構造を詳細に観察すると、神経細胞に見られたBAFの消失に伴う核のコンボリューションの形態が容易に観察できた。以上からBAFタンパク質の消失がアポトーシスに見られる核構造の変化と密接に関係していることが推測される。
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Research Products
(2 results)