2004 Fiscal Year Annual Research Report
膜型増殖因子の一生:活性化プラットホームにおける運命決定
Project/Area Number |
15032222
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
瀬原 淳子 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (60209038)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗崎 知浩 京都大学, 再生医科学研究所, 助手 (90311422)
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Keywords | ADAM / ErbB / メルトリン / メタロプロテアーゼ / 増殖因子 |
Research Abstract |
神経組織の形成において、神経は自らをサポートしてくれるグリア細胞を生み出す。そして分化したグリア細胞は、神経と接触して存在し、神経突起からの維持刺激がなければ死んでしまう。このような神経において合成され、グリアの分化と維持に必要なグリア増殖因子は、その多くが膜貫通型タンパク質として合成され、膜直上の位置で切断されて、可溶性分子として細胞外に放出される。私たちは、形態形成の研究のなかでADAMファミリーに属する膜型プロテアーゼメルトリンα、β、γの遺伝子クローニングに成功し、その形態形成における役割と機能を探ってきた。そのうち、メルトリンβ(ADAM19)が、神経や心臓の形成に関与する膜型ErbBリガンドであるグリア増殖因子の切断活性化を担うこと、ノックアウトマウス作成によりメルトリンβが心臓形成や神経の束索化にかかわり、protein kinase C依存的なグリア増殖因子の切断活性化にかかわることなどを明らかにしてきた。 本研究は、このグリア増殖因子がメルトリンβ依存的に、どのように切断されるか、さらに神経細胞の中で、切断された因子がどのように細胞外に放出されて、グリアやシナプスへ運ばれるのかを、ライブイメージングによって明らかにしようとするのである。その準備として、まず、マウス胎仔後根神経節細胞におけるメルトリンβの細胞内局在を種々のマーカーを用いて解析し、メルトリンβが局在する細胞内小胞を明らかにした。そして、ニューレグリンの細胞外、細胞内にそれぞれYFP、CFPなど区別できるタグを挿入した各種発現プラスミドを構築し、ライブイメージングに適したタグ付きニューレグリンを検討した。そして、それらタグ付きニューレグリンを用いて観察したところ、ニューレグリンが、生きた細胞において、細胞表面だけでなく、細胞内小胞にも局在することを見いだした。
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Research Products
(4 results)