2003 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア外膜透過装置の立体構造と通過中のポリペプチド鎖のコンホメーション
Project/Area Number |
15032239
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
神田 大輔 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80186618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前仲 勝実 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (10322752)
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Keywords | ミトコンドリア / タンパク質輸送 / 膜透過チャネル / Tom40 / 核磁気共鳴法 / X線結晶解析 |
Research Abstract |
ミトコンドリアを構成するタンパク質の大部分は細胞質のリボソームで合成された後に、ミトコンドリアへと輸送される。膜通過は2つの膜それぞれに存在する膜透過装置によって行われる。ミトコンドリア外膜の透過はTom40タンパク質がつくるチャネルを通して起こる。本課題ではTom40チャネルの立体構造決定とポリペプチド鎖がチャネルを通過するときのコンホメーションの解析を行う。そのために、大腸菌内でインクルージョンボディとして発現させた酵母由来のTom40を尿素あるいは塩酸グアニジン存在下で可溶化と精製を行った後に、界面活性剤存在下に巻き戻して再構成したTom40チャネルを得るプロトコルの確立を目指した。従来、活性のあるTom40チャネルが再構成された報告はあるが、大量調製に適した方法ではない。 希釈法、ゲル濾過による方法、タグで固定して洗う方法などを用いて、種々の界面活性剤を添加して巻き戻し実験をおこなった。結果の正否はBN-PAGE(ブルーネイティブ電気泳動)、電子顕微鏡負染色観察、CD、NMRを用いておこなった。残念ながら、完全なプロトコルの確立には至っていないが、2種類の界面活性剤を組み合わせることが有望である見通しをもっている。すなわち、リゾPCを用いた希釈を行うと効率よく巻き戻しができ、CD測定とNMR測定によりβシート構造が確認できた。しかし、この方法で調製した試料はアグリゲーションを起こしているのでゲル濾過によって、第2の界面活性剤に置換することによって、単分散試料の調製を行う。現在、第2の界面活性剤として最適なものを探している段階にある。
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