2003 Fiscal Year Annual Research Report
Importin β核蛋白質輸送担体分子の核膜孔通過における制御機構の解析
Project/Area Number |
15032258
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小瀬 真吾 独立行政法人理化学研究所, 細胞核機能研究室, 研究員 (90333278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今本 尚子 独立行政法人理化学研究所, 細胞核機能研究室, 主任研究員 (20202145)
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Keywords | 核膜孔 / 核-細胞質間蛋白質輸送 / 核外移行 / 核内移行 |
Research Abstract |
核-細胞質間輸送担体importin βファミリー分子が、核膜孔複合体構成因子(Nup)とどのような分子間相互作用で核膜孔を通過するのか、特に核内移行と核外移行で分子間相互作用が違うのかという問題は明らかにされていない。本研究では、importin β分子とその点変異体を用いた解析から、importin βの核膜孔通過反応が核内移行と核外移行で違うことを示唆する結果を得ており、今回、以下の準備実験とβ-カテニン分子の核膜孔通過の解析を行った。 1.importin β等と相互作用するNupの同定 核膜孔複合体をHeLa細胞核から生化学的に部分精製する条件検討を行った。DNase I・RNaSe A、ヘパリン処理後、界面活性剤と高塩濃度下で抽出を行い、Nupが濃縮した分画を得た。現在、この分画を用いて、importin βやその変異体などと結合するNupの同定・比較を試みている。また、酵母ツー・ハイブリッド・システムを用いて、importin βと核外輸送担体分子であるCASと相互作用する分子の同定を試み、幾つかの陽性クローンを同定し、解析中である。 2.β-カテニンの核膜孔通過の解析 β-カテニンは核膜孔との直接的相互作用により核-細胞質間を移動する分子である。欠損変異体を用いた解析から、β-カテニンの核膜孔通過に必要十分な領域は、アルマジロリピート10-12とC末領域であることを明らかにした。この領域をさらに解析し、核内移行はするが核外へは移行出来ない欠損変異体が得た。また、競合阻害実験等から、β-カテニン分子と核膜孔とのアフィニティーは、核内移行と核外移行で大きく異なっていた。これらの結果は、impotin βでの結果と同様に、同じ分子でも核内移行と核外移行で分子間相互作用が違う可能性を示唆している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Maiko Furuta: "Heat-shock induced nuclear retention and recycling inhibition of importin α"Genes to Cells. (in press). (2004)
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[Publications] 小瀬 真吾: "核膜孔複合体と核-細胞質間輸送"蛋白質核酸酵素. (印刷中). (2004)