2004 Fiscal Year Annual Research Report
光機能レドックス錯体界面配列体による光エネルギー変換
Project/Area Number |
15033215
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西原 寛 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70156090)
|
Keywords | アゾ / 錯体 / 光異性化 / フォトクロミック / レドックス / フェロセン / スピロピラン |
Research Abstract |
本研究では、アゾ基を有する光機能分子ユニットとレドックス錯体とを共役結合した新しい物質群を創製し、それらを界面に配列固定することによって、光エネルギーを化学・電気エネルギーに変換する非従来型システムを構築することを目的とする。 1)フェロセニルスピロピランのレドックス制御光異性化 開環形と閉環形との間での光異性化を起こすことが知られており,両者の双極子モーメントが大きく異なるスピロピランにドナー・アクセプター性を酸化還元により制御できるフェロセンを結合したフェロセニルスピロピラン錯体Fc-SPを新規に合成し,その光応答性と酸化還元挙動について検討をし,レドックスを用いた光異性化挙動の制御を行った.Fc-SPはジクロロメタン中で345nmに吸収極大をもち,紫外光照射により開環形Fc-MCへと異性化したが、Fc-MCの生成率は低かった。一方、フェロセン部位を酸化したあと(Fc^+-SP)に紫外光を照射すると,高収率でFc^+-MCが生成し、すでに報告したアゾベンゼン系錯体と同様に、レドックスによる光異性化制御ができることを示した。 2)3-フェロセニルアゾベンゼン誘導体の界面配列と光異性化 緑色光とレドックスによる可逆な異性化を起こす3-フェロセニルアゾベンゼン^<5)>の界面固定とその光異性化・レドックス挙動の解明を行った。最初に作製したアルコキシ誘導体の金上の自己集合単分子膜(4)は、可逆なレドックス特性と紫外光によるトランス-シス異性化を示したが、緑色光による異性化は示さなかった。一方アルキル誘導体のITO上の自己集合単分子膜は可逆なレドックス特性と緑色光による異性化を示した。
|
Research Products
(3 results)