2003 Fiscal Year Annual Research Report
光電変換効率向上を目指した酸化物半導体ナノ材料の創製と過渡応答法による評価
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15033224
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
豊田 太郎 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (40217576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
沈 青 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (50282926)
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Keywords | 光電変換 / 光音響法 / 光電気化学 / 参加チタンナノ粒子 / 酸化スズナノ粒子 / 酸化亜鉛ナノ粒子 / 複合化ナノ粒子 / 過渡応答評価 |
Research Abstract |
本年度は(1)TiO_2ナノ粒子と、(2)SnO_2とZnOナノ粒子を複合化(SnO_2/ZnO)した2種類の光電極の作製を行い、それらの光吸収評価と電子移動評価を行った。光吸収評価には光音響法を、電子移動評価には光電気化学電流法を適用した。その結果、(1)と(2)の系では形成ナノ粒子の粒径の違いによる表面モルフォロジー(特に多孔度の割合)が、光吸収と電子移動に大きく影響することが判明した。(1)の系では光音響信号の大小と光電気化学電流の大小が逆転しており、電流に寄与しなかった励起電子は無輻射緩和に寄与することが示唆されている。さらに(1)の系に対して電圧印加処理を施し(電子注入)、ナノ構造を有するTiO_2基板の評価を行った。その結果、印加電圧を増加するにつれて吸収端以下の長波長領域での光吸収が増加し、光化学電流は短波長側で急激に増大した。これらの事実は、電圧印加処理によりTiの価数が変化しドナー準位が形成された効果と考えられる。(2)の系ではZnOの混合量増加とともに光音響信号と光電気化学電流が共に増加するが、光電気化学電流最大値を示す最適混合率(75%)があることが見出された。 従来分光増感には有機色素系が適用されていたが、本研究では半導体量子ドットを吸着する分光増感を試みた。本年度は対象として、化合物半導体CdSe量子ドットの吸着を試みた。その結果(1)の系では最適な粒径を持つCdSe粒子ドットを吸着することで、最大35%の量子効率(電流変換)を達成することが出来た。この系に高速過渡回折格子法を適用した結果、CdSe量子ドット内で励起された電子系には3種類の無輻射緩和(正孔の表面への移動、電子のTiO_2への移動、TiO_2の電子移動)あることが判明した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] T.Toyoda: "Photoacoustic and photoelectrochemical response of Nanostructured TiO_2 electrodes."Japanese Journal of Applied Physics. 42. 3036-3040 (2003)
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[Publications] O.Shen: "Studies of optical absorption and electron transport in nanocrystalline TiO_2 electrodes."Thin Solid Films. 438-439. 167-170 (2003)
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[Publications] O.Shen: "Characterization of nanostructured TiO_2 electrodes sensitized with CdSe quantum dots using photoacoustic and photoelectrochemical current methods."Japanese Journal of Applied Physics. 43(印刷中). (2004)
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[Publications] O.Shen: "Photosensitization of nanostructured TiO_2 with CdSe quantum dots : effects of microstructured and electron transport in TiO_2 substrates."Journal of Photochemistry & Photobiology, A : Chemistry. (印刷中). (2004)