2004 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロ反応場を用いる半導体ナノ粒子およびナノ微細構造光機能材料合成に関する研究
Project/Area Number |
15033244
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
平井 隆之 大阪大学, 太陽エネルギー化学研究センター, 教授 (80208800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 康浩 大阪大学, 太陽エネルギー化学研究センター, 助教授 (70343259)
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Keywords | ナノ粒子 / 逆ミセル / 量子サイズ効果 / 光触媒 / 光機能界面 / 複合材料 / 光化学反応 / 水素製造 |
Research Abstract |
本年度は、主としてCdSナノ粒子を固定化したTiO_2粒子の合成と光触媒特性について検討した。mercaptoacetic acid (MAA)を含む水溶液中でCdSナノ粒子を合成したのち、TiO_2粒子を添加・攪拌することにより、MAAで表面修飾されたCdSナノ粒子をカルボキシル基を介して固定化した(CdS-MAA-TiO_2)。CdSナノ粒子径はMAA濃度で制御した。 合成した複合材料におけるCdSナノ粒子-TiO_2間の相互作用を、CdSナノ粒子からの蛍光発光によって調べた。比較のために作製したCdS-MAA-Al_2O_3ではCdSナノ粒子の蛍光は消光されないが、CdS-MAA-TiO_2においては顕著な消光が見られ、CdSからTiO_2への電子移動が起こりやすいことを示唆した。CdS-MAA-TiO_2ではCdSナノ粒子-TiO_2粒子間の距離が短く、また結合(-COO^-)部分の共鳴構造の形成などが影響していると考えられる。 2-プロパノール水溶液に懸濁し可視光照射した際の水素生成量で光触媒特性を評価した。CdS-MAA-TiO_2で大きな水素生成量が得られた。これはCdS上で励起された電子と正孔の電荷分離がTiO_2との相互作用によって促進されるためと考えられ、蛍光の消光特性の結果と一致している。また、CdS-MAA-TiO_2において、ルチル構造の参照触媒TIO-3を用いた場合に、アナタース含有量の多いST-21やP-25よりも水素生成量が多く、さらにCdSナノ粒子径の減少に伴って、CdS単位モル量当たりの水素生成量が増大し、CdSナノ粒子の微細化の効果が認められた。 ナノスケールのポア構造を有するサブミクロンサイズのルチル型H-TiO_2粒子を用いて合成したCdS-MAA-H-TiO_2においては、CdSナノ粒子固定化量の増大とともにCdS単位モル量当たりの水素生成量が増大した。これより、TiO_2粒子の適切な表面微細構造がナノ粒子を固定化・安定化する能力を増大させることを示した。
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Research Products
(6 results)