2004 Fiscal Year Annual Research Report
環境感応型発光性白金錯体における界面応答性と光触媒能開発
Project/Area Number |
15033247
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
加藤 昌子 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助教授 (80214401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三谷 忠興 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 教授 (50010939)
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Keywords | ジイミン白金錯体 / ベイポクロミズム / 結晶構造 / 発光性金属錯体 / 化学センシング / 光機能 / 自己組織化 / 光触媒 |
Research Abstract |
1.配列制御置換基を有するビピリジン白金錯体の環境応答性とベイポクロミズム. 白金錯体のより積極的な配列制御を行うために,一連の長鎖アルキル基やカルボキシル基を有するビピリジンを含む白金単核錯体,[PtX_2(R_2bpy)](X=Cl^-,CN-^-,R=(CH_2)_nCH_3[n=6-10],COOH)を合成し,結晶状態での有機ベイパー選択的感応による著しい発色・発光変化や溶液中での濃度に依存した著しい発色・発光変化など、集積構造に基づく興味深い発光特性を見出した。また,白金複核錯体(syn-[Pt_2(bpy)_2(pyt)_2](PF_6)_2,pyt=pyridine-2-thiolate ion)が示すベイポクロミズムについても,種々の置換体の研究により,発光変化の機構について新たな知見が得られた。すなわち,ベイポクロミズムを発現するには,複核錯体間の相互作用が可能なhead-to-head型の配置が重要であることが明白となった。 2.フェニルピリジンを含む白金複核錯体の発光特性と光触媒機能. ビピリジン配位子のかわりに,アニオン性強配位子として作用する2-フェニルピリジン(Hppy)類を用いて、一連の中性型白金複核錯体[Pt_2(L)_2(pyt)_2](L=ppy及びその誘導体)を合成した。これらの錯体は、置換基によってエネルギーの異なる強い発光を示す。[Pt_2(ppy)_2(pyt)_2]では,2価と3価の酸化状態がともに安定に生成し,レドックス制御による可逆的な発光変化を観測した。また,この白金錯体の光触媒能を調べるために、[Co(acac)_3](Hacac=acetylacetone)の光誘起分解反応を行った結果,[Pt_2(ppy)_2(pyt)_2]は,適当な還元剤の共存下では,従来の[Ru(bpy)_3]^<2+>と同等以上の光触媒能が見出された。また,水の光分解にも適用できることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)