2003 Fiscal Year Annual Research Report
電極界面における金属ナノ粒子のプラズモン光励起下の局所環境計測と光電子機能
Project/Area Number |
15033257
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
相樂 隆正 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 助教授 (20192594)
|
Keywords | 金属ナノ粒子 / 金ナノ粒子 / ミクロ化学環境 / 吸収スペクトル / 電位変調分光法 / 酸化チタン粒子 / 電位誘起動的挙動 / 電磁場増強 |
Research Abstract |
1.クエン酸保護金ナノ粒子が、アミノブチルシロキサン修飾したITO電極系で示す電位に依存したスペクトル変化を以下のように明らかにした。 (1)電位変調可視透過吸収応答における周波数依存性を詳細に解析した結果、スペクトル変化(>5Hz)が、粒子の充放電を主に反映したものであることが確認できた。 (2)同じ系での、電位ステップに対する単色光の吸光度変化には、100ms以内の速い減衰を示す成分と、30〜150sオーダーの半減期を持つ単一指数関数減衰成分とがあることがわかった。半減期および二つの成分の割合は、波長とステップ電位に依存し、電位変化後の時間経過に伴い、Au粒子の吸収スペクトルが変化することを示している。速い成分はAuに吸着性を持つアニオンの影響を受けた。 2.電極上の金ナノ粒子のごく近傍に色素分子を配置したとき、プラズモン吸収波長領域で特異的なスペクトルが得られる現象への、プラズモン励起波長光を定常照射することの影響を解明した。ビオロゲン還元体が存在する条件でレーザー光照射を行いながらプローブ光の透過吸収を測定したところ、得られた電位変調透過吸収スペクトル波形は、レーザー光照射の影響を受けないことがわかった。少なくとも、特異的なスペクトルの原因は粒子による電磁場増強によるものではない。 3.吸脱着活性基を表面に露出した修飾金ナノ粒子を合成し、Au(111)電極表面上での電位応答動的挙動を検討し、粒子の部分的吸脱着を示す応答を出現させることに成功した。 4.金ナノ粒子と複合系を粒子状態で生成しうるTiO_2粒子の合成準備を行なった。新しい重合合成法を開発し、100%アナターゼで有機分子を含まず、一次粒子粒径が5nm程度の粒子を得た。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Takamasa Sagara: "An examination to give dynamic movements to a metal nanoparticle at an electrode surface by potential control"Electrochemistry Communications. 5巻. 853-856 (2003)
-
[Publications] Ayumi Toyota: "UV-vis transmission-absorption spectral study of Au nanoparticles on a modified ITO electrode at constant potentials and under potential modulation"Journal of Electroanalytical Chemistry. 未定. (2004)
-
[Publications] 相樂隆正: "超分子科学-ナノ材料創製に向けて(分担執筆)、第IX章3節"電子機能性金属ナノ粒子"(中嶋直敏編)"化学同入. 8 (2004)