2003 Fiscal Year Annual Research Report
層状化合物-ポルフィリン複合体のナノ構造と光機能性
Project/Area Number |
15033260
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
高木 慎介 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (40281240)
|
Keywords | 粘土鉱物 / ポルフィリン / 無機有機複合体 / 層状化合物 / ナノ |
Research Abstract |
粘土-ポルフィリン複合体を合成し、複合体の微小構造についてのキャラクタリゼーションを行った。これまでの申請者の研究により、四価カチオン性ポルフィリン分子が粘土平面に平行に吸着し、かつ、規則配列した複合体の構造が推定されている。この複合体では、ポルフィリン分子の間に適度な空隙空間があり、密に充填されていながら会合などの基底状態での相互作用を完全に抑制できるという極めて特異な構造を有する。本研究では、より高度な構造制御を行うことを試みた。具体的には、二価のカチオン性ポルフィリンを用いることで、分子内にカチオン性部位と疎水性部位を共存させ、ポルフィリン-粘土表面間の二面角の制御を試みた。バルク溶媒として様々な極性を有する有機溶媒を適用したところ、適当な条件下では、カチオン部位は粘土表面に吸着し、疎水性部分は、バルク溶液層に張り出すことが見いだされた。すなわち、バルク溶液として極性の低い溶媒を用いることで、ポルフィリン分子平面が、粘土平面に対して大きな角度を有する複合体形成が形成されたものと考えられる。アルコール類を用いた時には水中に比べ殆ど配向変化が起きないのに対し、特にテトラヒドロフランを用いた時には顕著な配向変化が認められた。また、バルク溶媒の効果以外にも一価カチオン種の添加によってもポルフィリン分子の配向制御が可能であることを見いだした。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Miharu EGUCHI, Shinsuke TAKAGI^*, Hiroshi, TACHIBANA, Haruo INQUE^*: "The Size Matching Rule in Di-, Tri-, and Tetra-Cationic Charged Porphyrin/Synthetic Clay Complexes : Effect of the Inter-Charge Distance and the Number of Charged Sites"J.Phys.Chem.Solid. 65. 403-407 (2004)
-
[Publications] Lucia, L.A., Yui, T., Sasai, R., Takagi, S., Takagi, K., Yoshida, H., Whitten, D.G., Inoue, H.^*: "Enhanced Aggregation Behavior of Antimony(V) Porphyrins in Polyfluorinated Surfactant/Clay Hybrid Microenvironment"J.Phys.Chem.B.. 107. 3789-3797 (2003)
-
[Publications] Shigeaki Funyu, Takehiko Isobe, Shinsuke Takai, Donald A.Tryk, Haruo Inoue^*: "Highly Efficient and Selective Epoxidation of Alkenes by Photochemical Oxygenation Sensitized by a Ruthenium (II) Porphyrin with Water as both Electron and Oxygen Donor"J.Am.Chem.Soc.. 125. 5734-5740 (2003)