2003 Fiscal Year Annual Research Report
有機相-フルオラス相の二相系を反応場とした光触媒によるフルオロアルキル化反応
Project/Area Number |
15033261
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
吉田 正人 島根大学, 医学部, 教授 (50137030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊与田 正彦 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50115995)
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Keywords | フッ素化合物 / 触媒 / ラジカル / 環境対応 / フルオロアルキル化 |
Research Abstract |
我々はすでにラジカル連鎖反応を駆使した含フッ素化合物の合成を行っている。ヨウ化フルオロアルキルの炭素-ヨウ素結合が求核的ラジカルであるスズラジカルにたいし高い反応性を示すことに注目し、ヨウ化フルオロアルキルとジスタンナンとを酸素存在下で光照射したところ、効率的にフルオロアルキルラジカルが発生することを見いだし、この反応を基本反応としたフルオロアルキル基を有するアルコールないしはケトンを選択的に創り出す方法を検討した。この反応では有機スズ化合物を反応を進行させるための連鎖媒体として使っていた。しかし、有機スズ化合物は反応生成物からの除去が困難である場合が多く、また、残留スズには毒性の問題がある。そこで、スズ化合物を使わない方法として、ヨウ化フルオロアルキルと一電子還元・一電子酸化を組み合わせたフルオロアルキルラジカルの発生とそれを用いた含フッ素化合物の合成を検討した。α-メチルスチレンとヨウ化フルオロアルキルのアセトニトリル溶液に酸化チタンを加え光照射したところ、この場合にもアルコールが得られた。この反応を更に有機相-フルオラス相の二層系を反応場として行った。従来、液-液二相系分離システムとしては水と有機溶媒の組み合わせが一般的であった。しかし、近年有機フッ素化合物が水とも通常の有機溶媒とも混ざらないという性質を持つため、第三の相としてフッ素系の溶媒の使用が注目されている。このような観点から、過剰に用いたヨウ化フルオロアルキル、酸化チタンはそのまま再利用ができるような新しい反応系としてペルフルオロヘキサン-アセトニトリルの二相系での反応を見いだした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Ohkoshi, T.Horino, M.Yoshida, M.Iyoda: "Synthesis and Inclusion Properties of a Novel Macrocyclic Hexaketone Monohydrate with a Hemiactal Structure"J.Chem.Soc., Chem.Commun. 2585 (2003)
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[Publications] 伊与田正彦, 山村公明, 森田 昇, 吉田正人: "基礎からの有機化学"朝倉書店. 154 (2003)