2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノレプリカによる高表面積酸化チタン電極を用いた色素増感型太陽電池
Project/Area Number |
15033265
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
白鳥 世明 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (00222042)
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Keywords | 色素増感太陽電池 / ナノ構造 / 酸化チタン / 多孔質 / 交互吸着 / 表面積 / 薄膜 |
Research Abstract |
色素増感太陽電池は高効率且つ安価であることから、実用化に向けての検討がなされているが、電極のナノ構造、表面積と太陽電池の特性との相関は明らかにされていない。そこで、本研究では、多孔質・高表面積構造が得られる交互吸着法^<[5]>と低温で結晶性TiO_2膜が得られる化学溶液析出法を組み合わせた新しい低温製膜技術を検討し、析出表面の形態を制御することで高度な規則構造を有するTiO_2光電極の作製を試みた。 ポリカチオンとしてPoly (allylamine hydrochloride)(PAH)、ポリアニオンとしてPoly (acrylic acid)(PAA)を用い、交互吸着膜(以下、PAH/PAA)を作製した。PAH/PAA薄膜を酸性溶液に浸漬する事によって、多孔質PAH/PAA薄膜を得た。次に、多孔質PAH/PAA薄膜をTiF_4過飽和前駆体溶液に浸漬し、60℃・6h静置することで結晶性TiO_2膜を製膜した。その後塩基性溶液(pH=11.8 NaOH solution)に浸漬し交互吸着膜を除去した。作製した素子については、AFM, SEM, TEM等の構造観察、XPSによる表面状態解析、XRDによる構造解析を行った。 その結果、製膜されたPAH/PAA薄膜には直径50-400nmの分離したマクロ孔を有する規則的な高表面積構造が構築されることが明らかになった。析出させたTiO_2薄膜の形態は、交互吸着膜の多孔質構造が転写された特徴的なアーチ状構造を有していた。TiO_2薄膜の断面FESEM像の観察結果から、微細構造を維持し層状構造を構築しながら膜厚が増加していることが分かった。これは色素担持量増加つまり素子の変換効率向上に重要な要素である。本手法は、結晶配向や微細構造制御が可能という従来の製膜法には無い特徴を有し、尚且つ高い性能を有していることを確認した。
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Research Products
(4 results)