2003 Fiscal Year Annual Research Report
動的キラルルイス酸錯体の構造制御に基づく環状アミン類のα位不斉アルキル化
Project/Area Number |
15036256
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
松村 功啓 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (60026309)
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Keywords | 動的錯体 / 電極酸化 / 銅イオン / 不斉 / キラルリガンド / 活性メチレン |
Research Abstract |
N-保護ピペリジンやピロリジンの電極酸化によって得られるN,O-アセタールやそのβ,γ-不飽和体を基質とし、これらからイミニウムイオ中間体を生成させ、次いでこれら中間体と求核剤(Nu)との間で高い選択性で不斉炭素間結合形成を可能とする動的キラルルイス酸-Nu錯体を開拓した。即ち、キラルリガンドとしてキラルビスオキサゾリン、ルイス酸としてCu(II)イオン、求核剤としてマロン酸ジメチルを混合すると、これら3者からなる動的錯体が生成する。この錯体をN-保護-β,γ-不飽和-α-メトキシピペリジンに反応させたとき、マロン酸ジメチルの活性メチレン基とピペリジン環のα位およびγ位とが炭素間結合した化合物が混合物で生成すること、また、α位置換体とγ位置換体の比率がN-保護基に大きく依存し、N-保護基がメトキシカルボニル基の時にはα位置換体とγ位置換体の比は低く(36%/20%)、N-保護基をp-メトキシベンゾイル基にすると、最も高いα位選択性(78%/0%)を示すことを見いだした。さらに、キラルビスオキサゾリンの構造を変化させることによりα位置換体を51%eeで得ることに成功した。このキラル生成物は構造既知の2'-ピペリジニル酢酸エステルに変換してピペリジン環のα位炭素の絶対構造を確定し、これらのデータを基に動的錯体がピペリジニウムイオンを攻撃するときの機構を推定した。動的錯体を形成する金属イオンについてはCu,Ti,Pd,Znについて検討し、これらの中でCu(II)イオンが最も良い結果を与えることも明らかにした。 さらに、マロン酸ジメチルの代わりにアセト酢酸メチルも検討した。N-保護-α-メトキシピペリジンへの反応の場合、主生成物はα位置換のジアステレオマーの混合物であり、α位炭素に関して64%ee程度の選択性が得られることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yoshihiro Matsumura ら: "Copper ion-catalyzed asymmetric carbon-carbon bond forming reaction at the 2-position of a piperidine skeleton"Tetrahedron Lett.. 43巻17号. 3229-3231 (2002)
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[Publications] Yoshihiro Matsumura ら: "Asymmetric Carbon-Carbon Bond forming Reaction at the 2-Position of a Piperidine Skeleton"Chirality. 15巻1号. 89-94 (2003)