ブラックホール降着流の大局的3次元磁気流体数値実験

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15037202
• Research Institution: Chiba University
• Principal Investigator: 松元 亮治 千葉大学, 理学部, 教授 (00209660)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 小出 眞路 富山大学, 工学部, 助教授 (20234677) ; 中村 賢仁 松江工業高等専門学校, 助教授 (00342543) ; 宮路 茂樹 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (10157646)
• Keywords: 降着円盤 / ブラックホール / 磁気流体力学 / 数値実験 / X線天文学 / 磁気乱流 / 宇宙ジェット / 状態遷移

Research Abstract

光学的に薄いブラックホール降着円盤の大局的3次元磁気流体(MHD)数値実験を実施し、時間変動のパワースペクトル(PSD)が銀河系内ブラックホール候補天体の1-100HzのPSDを再現することを明らかにした。また、シミュレーション結果はブラックホール近傍で角運動量輸送率が高くなる場合の移流優勢降着流(ADAF)の大局的1次元定常解と良く一致することを示した(町田・中村、松元2004,PASJ投稿中)。さらに、輻射冷却を含めた数値実験を実施し、low/hard state円盤の降着率が臨界値を越えるとhigh/soft stateに向けての状態遷移が起ること、この遷移の際、円盤温度が低下する一方で円盤はトロイダル磁束を保ったまま鉛直方向に収縮するため、円盤内部は磁気圧優勢な状態になることを明らかにした(町田ら2004投稿準備中)。加藤、林、松元(2004 ApJ)は、中性子星とそのまわりの降着円盤の磁気的相互作用のシミュレーションを実施し、円盤の回転によって捻られた磁場が回転軸に沿う磁気タワーを形成し、電磁エネルギーを輸送することを明らかにした。中心天体がブラックホールの場合でも同様な機構で磁気タワージェットが噴出し得る。相対論的MHDコードの計算効率と数値的安定性を改善するため、2003年8月に千葉大学にて「相対論的磁気流体ミニワークショップ」を開催し作業を進めた。また、研究支援者を雇用し、CIP法を用いた一般相対論的MHDコード開発を進めた。小出は、カーブラックホール近傍からのアウトフロー形成のシミュレーションを実施した。
(小出2004,ApJL印刷中)。

Research Products

• [Publications] 加藤成晃, 林満, 松元亮治: "Formation of Semirelativistic Jets from Magnetospheres of Accreting Neutron Stars : Injection of Hot Bubbles into a Magnetic Tower"Astrophysical Journal. 600. 338-342 (2004)
• [Publications] S.Koide: "Relativistic Outflow Magnetically-Driven by Black Hole Rotation"ApJ Letters. (in press). (2004)
• [Publications] S.Koide: "Extraction of Black Hole Rotational Energy by a Magnetic Field"Proceedings of 'High Energy Processes and Phenomena in Astrophysics', the IAU 8^<th> Asian-Pacific Regional Meeting. Vol.214. 87-90 (2003)
• [Publications] Koide, Shinji: "Magnetic extraction of black hole rotational energy : Method and results of general relativistic magnetohydrodynamic simulations in Kerr space-time"Physical Review D. vol.67 Issue 10. 104010-104010 (2003)