2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15037205
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 太一 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20283591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植村 誠 京都大学, 大学院・理学研究科, 学振特別研究員DC
野上 大作 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20332728)
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Keywords | ブラックホール / 降着円盤 / ガンマ線バースト / 突発天体 / 激変星 / 超新星 / 自動望遠鏡 |
Research Abstract |
本年度は、京都大学への観測機器の導入と観測システムの構築を行うとともに、ブラックホール突発天体や倭新星などの関連降着円盤現象、HETE-2衛星のアラートを受けたガンマ線バーストの光学追跡観測を行った。 まず、京都大学には40cm赤道儀式の常時設置型の望遠鏡を導入した。この望遠鏡は京都大学現有の屋上ドームとともに自動駆動が可能であり、従来の京都大学の設備では実行が困難であった、長時間積分を要する天体の測光観測を可能にするものである。本年度は試験観測および制御ソフトウエアの開発を中心に運用を行った。 翌年度導入予定の分光装置も含め、常時観測可能な専用望遠鏡として国内では最大のものになり、今後の調整によって高い科学的価値の成果が期待できる。 これに並行して、京都大学屋上現有の観測装置、京都大学飛騨天文台の60cm望遠鏡を利用したブラックホール突発天体や矮新星などの観測を行った。特にブラックホール連星V4641 Sgrは本年度も期待通りの活動期を示し、京都大学やVSNETチームの国際共同観測によってその驚くべき変動が明らかにされた。またこの現象はマスメディアの関心も呼び、「ブラックホールの縁が可視光で見える可能性がある」という従来想像もされなかった衝撃的なニュースとして報道されることになった。この天体は活動性が極めて激しく、そのような現象を実際に観測するには即時の通報が欠かせないが、我々の開発したインターネットと携帯電話を利用したサービスによって、多くの人がこの情報を実際に受信することを可能にした。 なお、これらの結果は日本天文学会欧文報告誌における初めての単独特集の増刊号となる、VSNET特集号(平成16年3月25日刊行)などに出版され、我々の研究成果を幅広く公開するものとなった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Kato, M.Uemura, R.Ishioka, D.Nogami et al.: "Variable Star Network : World Center for Transient Object Astronomy and Variable Stars"Publ.Astron.Soc.Japan. 56(出版中). (2004)
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[Publications] T.Kato, R.Stubbings, B.Monard et al.: "V803 Centauri : Helium Dwarf Nova Mimicking a WZ Sge-Type Superoutburst"Publ.Astron.Soc.Japan. 56(出版中). (2004)
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[Publications] T.Kato, R.Ishioka, M.Uemura et al.: "V1494 Aql : Eclipsing Fast Nova with an Unusual Orbital Light Curve"Publ.Astron.Soc.Japan. 56(出版中). (2004)
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[Publications] T.Kato, P.Nelson, C.Stockdale et al.: "Photometric study of southern SU UMa-type dwarf novae and candidates -- III : NSV 10934, MM Sco, AB Nor, CAL 86"Mon.Not.Royal Astron.Soc.. 347. 861-872 (2004)
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[Publications] T.Kato, D.Nogami, M.Moilanen, H.Yamaoka: "Superhumps in a Rarely Outbursting SU UMa-Type Dwarf Nova, HO Delphini"Publ.Astron.Soc.Japan. 55. 989-1004 (2003)
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[Publications] M.Uemura, T.Kato, R.Ishioka, H.Yamaoka et al.: "Optical Variability of the Afterglow of GRB 030329"Publ.Astron.Soc.Japan. 56(出版中). (2004)