2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15038201
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大谷 栄治 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60136306)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 忠 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20252223)
久保 友明 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40312540)
鈴木 昭夫 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20281975)
船越 賢一 高輝度光科学研究センター, 副主幹研究員 (30344394)
|
Keywords | マグマ / 粘性 / 放射光 / 密度 / 高温高圧 |
Research Abstract |
マグマの物性特に密度と粘性は、マグマの移動と噴出に最も重要な要素である。また、地球上のマグマは多少の差こそあれ水を含んでおり、水はこれらの物性に大きな影響を与えている。しかしながら、水の影響を解明するための研究は、低圧の限られた条件においてしか行われていない。本研究は上部マントルの深部までの圧力におけるマグマの密度と粘性を無水とともに含水の条件においても解明することを目的としている。 マグマの密度測定には、東北大学で開発し確立したダイヤモンド浮沈法を用いた。ここでは、上部マントルにおける無水の玄武岩マグマの密度をこの方法により決定した。また、含水玄武岩マグマの密度測定は、同様のダイヤモンド浮沈法を用いて、含水量8%の玄武岩マグマについての測定を試みた。そして、その結果に基づいて、高温高圧下のマグマ中の水の部分モル体積の測定を推定した。 マグマの粘性係数の測定については、放射光を用いたX線撮像落球法を用いて、無水の玄武岩マグマの粘性の測定を約5GPaまでの圧力条件で行った。その結果、このマグマの粘性は、約3GPaにおいて、最小値を持つことが明らかになった。含水マグマの粘性係数の測定についても、同様のX線撮像落球法を用いて試みた。予備実験によって、加圧の際のカプセルの変形とカプセルの隙間からの水の流出を避けるために、カプセルの材質などについても技術開発がさらに必要であることが判明し、この点の改良を行っている。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 大谷栄治: "相平衡:鉱物の相関係から推定されるその生成環境"岩石鉱物科学. 32. 144-146 (2003)
-
[Publications] Suzuki, A., Ohtani, E.: "Density of peridotite melts at high pressure"Phys.Chem, Minerals. 30. 449-456 (2003)
-
[Publications] Reid, J.E., Poe, B.T., Rubie, D.C., Suzuki, A., Ohtani, E., et al.: "The viscosity of CaMgSi2O6 liquid at pressures up to 13 GPa."Phys.Earth Planet.Inter.. 139. 45-54 (2003)
-
[Publications] Litasov, K.D., Ohtani, E.: "Hydrous solidus of CMAS-pyrolite and melting of mantle plumes at the bottom of the upper mantle."Geophys.Res.Lett.. 30・22. SDE3 1-SDE3 5 (2003)