2004 Fiscal Year Annual Research Report
破壊現象を伴う山体崩壊シミュレーションのための数値解析手法の開発
Project/Area Number |
15038207
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀 宗朗 東京大学, 地震研究所, 教授 (00219205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小国 健二 東京大学, 地震研究所, 助教授 (20323652)
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Keywords | 山体崩壊 / 脆性破壊 / 火山噴火 / 破壊解析 / 数値計算 / 不確定性 / 離散化 / 亀裂 |
Research Abstract |
火山の山体崩壊に対する数値シミュレーション手法を開発することが本研究課題の目的である.山体崩壊過は複雑であり,正確な山体崩壊過程の予測には,山体そのものと貫入するマグマに関する詳細なデータが必要である.勿論,このようなデータを期待することは現実的ではなく,数値シミュレーションでは,不完全なデータに伴う予測を予測挙動のばらつきとして扱うことを目的としている. 山体を構成する岩は脆性材料であり,山体崩壊に伴う破壊過程のメカニズムである亀裂進展には,局所的不均一性が大きく影響する.この点を考慮し,数値シミュレーションでは,変動するマグマの貫入圧を境界条件として扱い,材料定数が空間的かつ確率的に分布する確率モデルを構築し,モンテカルロシミュレーションによって予測挙動のばらつきを求めることとしている. 亀裂進展の数値解析は決して容易ではない.これは亀裂が変位の不連続性として定式化され,不連続な関数の数値解析手法は未だ決定的なものがないためである.この点に対し,本研究では粒子離散化という新しい離散化手法を考案し,これを組み込んだ有限要素法を開発した.粒子離散化は,互いに重なり合わない特性関数の和を使って関数を離散化する手法であり,不連続な関数の数値解析には適している. 理想的に単純な山体モデルの確率モデルを構築し,開発された数値シミュレーション手法の妥当性・有効性を検証した.山体崩壊を引き起こすマグマ圧のばらつきや,崩壊パターンのばらつきが計算されることが確認された.さらに,手法の有効性を検証するため,磐梯山を対象としたシミュレーションを行った.山体に関する既知のデータとその確からしさを使って確率モデルを構築し,初歩的ではあるが,崩壊箇所に関する観測データとの比較を行った.その結果を基に数値シミュレーションによる予測の有効性を議論している.
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Research Products
(6 results)