2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15038211
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
橋本 武志 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70283588)
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Keywords | 流動電位 / ζ電位 / 自然電位 / 火山 |
Research Abstract |
岩石の粉砕サンプルを用いたζ電位測定実験を行うため,必要な部材を購入し,流動電位方式による装置を構築した.現在までに,装置の性能を確認するため,花崗岩の粉砕サンプルを用いた予察的な実験を行い,正常に流動電位が測定できることを確認した.一方で,技術的な問題点として,サンプルホルダーの物理的強度が不十分であること,温度制御を行う必要があることなどが明らかになった. 室内実験以外に,利尻火山,草津白根火山,テイデ火山(スペイン),ホワイト島火山(ニュージーランド)で自然電位分布の野外調査を行うと共に,上記のいくつかの火山で若干の岩石サンプルを採取した.利尻火山では,現在のところ,山頂部と中腹部をつなぐ1測線のみの情報しかないが,山頂部側が800mV程度の高電位を示すという結果を得た.また,草津白根火山では,地下に相当規模の熱水対流系が存在すると考えられているにも拘わらず,山頂側が低電位を示すことが明らかになった.これらのフィールド観測の結果は,実際のフィールドにおけるζ電位が,従来多くの火山において想定されてきたものとは異なり,正の符号をもつ可能性を示唆するものであり,室内実験による検証の必要性が再確認された. これまでの研究成果は,北海道大学紀要にまとめ,特定領域研究報告会(平成16年3月1〜3日:東京大学)にて報告した.また,平成16年5月9日〜12日に開催予定の地球惑星圏合同学会(幕張)にて発表の予定である.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Hashimoto et al.: "Self-potential studies in volcanic areas (5) -Rishiri, Kusatsu-Shirane, and White Island-"Jour.Fac.Sci., Hokkaido Univ., Ser.VII. 12巻2号. 97-113 (2004)