2004 Fiscal Year Annual Research Report
噴煙及び火山性ガスの拡散シミュレーションとその火山防災への応用
Project/Area Number |
15038212
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石川 裕彦 京都大学, 防災研究所, 助教授 (60263159)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植田 洋匡 京都大学, 防災研究所, 教授 (70026186)
永井 晴康 日本原子力研究所, 東海研究所, 副主任研究員
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Keywords | 火山噴火 / メソ気象モデル / 大気拡散モデル / 火山防災 / 噴煙 / 火山性ガス |
Research Abstract |
前年度に作成したモデル体系を用いて、三宅島を中心とした150km四方の領域(1.5km格子)とその中にネストした30km四方(0.5km格子)の領域を対象に気流と拡散計算を行った。気流計算では、気象庁の数値予報データ(GPV)を入力とし、局地気象モデルMM5を用いて三宅島とその周辺領域の気流を計算し、1時間間隔で出力した。拡散計算では気流計算の出力を入力として、三宅島の山頂付近から放出される二酸化硫黄ガスを200,000個/71時間の割合で発生させたマーカー粒子で模擬し、その移流拡散をランダムウォーク法でシミュレートした。高低気圧が次々と通過し気象状況の変化の激しかった冬季の3日間にわたる計算例では、高低気圧の移動に伴う風向変化に追従した高濃度域の変化が現実的に再現された。正確な放出情報が得られないため単位放出(1m^3/hour,約70kg/day)を仮定した計算を行ったためモニタリング値との直接比較は出来ないが、平均的な放出率、2000〜3000ton/day、を仮定すると、最大濃度は数ppmとなり、測定値とオーダーが一致することを確認した。 モデルのポータビリティを検討するため高性能のノートPC2台を用いて並列計算環境を構築し、実証試験を行った。拡散計算部分は、最新のnote PCでも実用的に実行可能であるが、気流計算部分は最低8並列程度のクラスタを構成する必要があることがわかった。
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