2003 Fiscal Year Annual Research Report
トランスジーンの不活性化欠如がもたらす胚性幹細胞の分化異常の解明
Project/Area Number |
15039204
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
谷本 啓司 筑波大学, 応用生物化学系, 助教授 (90261776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 純治 筑波大学, 応用生物化学系, 講師 (30323257)
深水 昭吉 筑波大学, 応用生物化学系, 教授 (60199172)
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Keywords | ES細胞 / Cre-loxP反応 / ROSA-26 |
Research Abstract |
本研究の第一段階として、外来導入遺伝子の活性を常に同一の染色体環境下において検証することを目的とし、染色体が常に開いた構造を持つと考えられるES細胞のROSA遺伝子座に対して、Cre-loxP反応を利用してカセット式にDNA断片を挿入する系(Recombination-mediated cassette exchange ; RMCE法)の確立を目指している。 1.ROSA遺伝子座へのタンデムloxP配列の挿入:ROSA遺伝子座への相同組換え用DNA断片(pROSA-1;Soriano博士より入手)中に、野性型loxP配列と変異型のloxP511配列を挿入(逆タンデム方向)後、これらの間にポジティブ選別用のネオマイシン耐性遺伝子とネガティブ選別用のTK遺伝子を挿入し、ターゲティング・ベクターとした。 2.上記ベクターを用いて、ES細胞(R1株)において相同組換えを行った。ROSA26遺伝子座では高効率に相同組み換えが起こることが知られているが、今回25%の効率で正しく組換えを起こしたクローン(R1-ES/loxP-TK-Neo)を得ることができた。これらのクローンのいくつかについて生殖系列への分化能の確認を行った。 3.RMCE法の有効性を検討するために、R1-ES/loxP-TK-Neo細胞中のloxP/loxP511配列と同様のconfigurationを持つベクター中にβ-gal遺伝子を挿入した「基質」プラスミドを構築した。現在、Hygromycinによる選別とlacZ染色を指標として、Cre発現ベクターの選定やエレクトロポレーションの条件検討を行っている。
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