2004 Fiscal Year Annual Research Report
体細胞初期化誘導および未分化維持に関するシグナル因子の解析
Project/Area Number |
15039206
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
角田 茂 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80345032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩倉 洋一郎 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10089120)
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Keywords | 再生医学 / 発生・分化 / シグナル伝達 / 遺伝子 |
Research Abstract |
我々は,マウス成体神経幹細胞が初期胚環境下において分化多能性を獲得し得るという報告に注目し,初期胚が有する体細胞初期化誘導能について検討してきた.これまでに,桑実期胚と成体神経幹細胞との接触共培養により,神経幹細胞において未分化細胞特異的な転写因子Oct-3/4が発現誘導することを見出した.このような神経幹細胞のリプログラミングには,神経幹細胞と初期胚との密な細胞接着が必須であることに加えて,初期胚の正常な発生が重要であることが示唆された.そこで,細胞表面因子を介したシグナルにより神経幹細胞がリプログラミングされたと想定し,このシグナル因子の同定を試みた. 当該リプログラミング因子は初期胚細胞表面に発現し,胚発生,特に未分化幹細胞の維持において重要な役割を担っていると仮定し,膜タンパク質をコードすると予測される遺伝子を,マウス初期胚に由来するESTライブラリより網羅的に探索した.続いてこれらの遺伝子の初期発生過程における機能をRNAiによる遺伝子発現抑制により検討した.現在までに20以上の遺伝子に対するsiRNAを,マウス受精卵へマイクロインジェクションにより導入したところ,胚盤胞への発生に影響を及ぼすものを5個同定した.また,これらの胚ではいずれも桑実胚期以降に異常が見られたことから,これらの遺伝子は桑実胚から胚盤胞への発生において重要な役割を担っていると考えられる.この時期は,Oct-3/4の発現が次第に内部細胞塊に制限される時期であり,Oct-3/4の発現制御に関与する可能性が示唆される.そこで当該遺伝子の機能を詳細に解析し神経幹細胞のリプログラミングへの関与を検討するために遺伝子欠損マウスの作製を試みたが,本研究期間中に樹立までには至らなかった.
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Research Products
(5 results)