2003 Fiscal Year Annual Research Report
レトロウイルス遺伝子導入系を用いた胎盤由来間葉系幹細胞の分化誘導法の確立
Project/Area Number |
15039212
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中島 秀明 東京大学, 医科学研究所, 助手 (30217723)
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Keywords | 幹細胞 / 間葉系幹細胞 / 胎盤 / 遺伝子導入 / 細胞分化 |
Research Abstract |
初年度はヒト胎盤由来MSCの培養方法の確立と多分化能の確認を行った。 ヒト胎盤は、東京大学医科学研究所関連病院にて分娩予定の妊婦およびその家族に本研究計画を書面にて十分説明した後、本人の自由意志によるinformed consentを書面で得た上で提供を受けた。まず提供された胎盤を細切し培養液を入れた培養皿中に置いて数日間培養し、胎盤周囲に付着細胞が出現した段階で胎盤片を除去しさらに培養を継続すると、線維芽細胞様の細胞集団を得ることができた。細胞がconfluentになった時点で細胞を継代、限界希釈法により単一細胞由来のクローンを単離した。 得られたクローンおよびクローニング前の細胞集団について、各種組織特異的遺伝子、およびサイトカイン・増殖因子受容体遺伝子発現をRT-PCRにより確認したところ、Oct3/4,Rex-1,GATA-2,CBFβ,Flt-1,Nestinなどの各種組織特異的遺伝子の発現を認めた。さらに胎盤由来MSCの多分化能の確認するため、脂肪細胞・骨芽細胞への分化誘導を試みたところ、双方への分化を確認した。以上より、胎盤由来MSCは中胚葉系細胞への多分化能を保持していることが確認された。
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