2003 Fiscal Year Annual Research Report
病的血管リモデリングに関与する成体幹細胞の同定と分化様式の解明
Project/Area Number |
15039213
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐田 政隆 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (80345214)
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Keywords | 幹細胞 / 動脈硬化 / 分化 / 平滑筋細胞 / 内皮細胞 / 動員 / 増殖因子 / 血管 |
Research Abstract |
動脈硬化は局所の血管細胞の分化、増殖によって生じると考えられていた。私たちは、移植後動脈硬化、血管形成術後再狭窄、高脂血症による動脈硬化のモデルを用いて、骨髄由来前駆細胞が傷害後の血管に定着し、内皮細胞もしくは平滑筋細胞に分化して病変形成に関与することを報告した。骨髄由来細胞の血管病変への関与に関して、いくつかの方法を用いて再検証してみた。 (1)異なる血管傷害モデルを用いての検討 骨髄を置換した同一マウスの三つの異なる血管に、同時に別々の異なる血管傷害を加えた。ワイヤー傷害では多くの骨髄細胞が取り込まれていたが、頚動脈の結紮では非常に少なかった。ポリエチレンチューブの大腿動脈周囲への留置では周囲の炎症細胞としては骨髄由来細胞が存在したが、新生内膜には殆ど取り込まれていなかった。 (2)一個の造血幹細胞を用いた骨髄置換マウスの解析 骨髄KSL分画3000個によって骨髄を置換したマウスでは、KSL分画由来細胞が傷害後血管リモデリングに重要な役割を演じていた。一方、KSL分画をさらに精製して1個の造血幹細胞で骨髄置換したマウスを解析すると、移植した細胞の血管リモデリングへの関与は殆ど認められなかった。造血幹細胞より未分化な骨髄細胞もしくは間葉系細胞から血管前駆細胞が分化している可能性が高いと考えられた。 (3)Parabiosisモデルを用いての検討 Parabiosisモデルにおいて、液性因子ばかりでなく、末梢血、骨髄細胞も二マウス間を交流していた。片方のマウスの血管に傷害を加えると、パートナー由来の細胞が新生内膜形成に関与していた。 以上より、血液中の前駆細胞が傷害血管のリモデリングに関与する現象が再確認された。現在、各種病態における前駆細胞の動態とその制御機構を研究している。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Tanaka K., Sata M., Hirata Y., Nagai R.: "Diverse contribution of bone marrow cells to neointimal hyperplasia after mechanical vascular injuries."Circulation Research. 93巻・8号. 783-790 (2003)
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[Publications] Sata, M., Tanaka., K, Nagai, R.: "Origin of smooth muscle progenitor, cells : Different conclusions, from different models"Circulation. 107巻・17号. e106-e107 (2003)
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[Publications] Sata M., Tanaka, K., Ishizaka N., Hirata, Y., Nagai R.: "Absence of p53 leads to accelerated neointimal hyperplasia after vascular injury."Arterioscler.Thromb.Vasc.Biol.. 23巻・9号. 1548-1552 (2003)
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[Publications] Fukino, K., Sata, M., Seko, Y., Hirata, Y., Nagai, R.: "Genetic background influences therapeutic effectiveness of VEGF."Biochem Biophys Res Commun.. 310巻・1号. 143-147 (2003)
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[Publications] Sata M.: "Circulating vascular progenitor cells contribute to vascular repair, remodeling and lesion formation."Trends Cardiovasc Med.. 13巻・6号. 249-253 (2003)
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[Publications] Saiura A, Sata M, Washida M, Sugawara Y, Hirata Y, Nagai R, Makuuchi M.: "Little evidence for cell fusion between recipient and donor-derived cells."J Surg Res.. 113巻・2号. 222-227 (2003)
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[Publications] 佐田政隆: "細胞から見た再狭窄のメカニズム. Drug-Eluting Stent(山口 徹、田村 勤編集)"医学書院. 5-11 (2003)