2004 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄腔内直接移植法を用いる体性あるいは胚性幹細胞の可塑性の解明
Project/Area Number |
15039227
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
薗田 精昭 関西医科大学, 医学部, 教授 (60206688)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池原 進 関西医科大学, 医学部, 教授 (90108986)
木村 貴文 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (30275193)
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Keywords | 造血幹細胞 / 臍帯血移植 / 可塑性 / 再生医療 / Intra-bone marrow injection (IBMI)法 / トランスレーショナルリサーチ / SDF-1 / CXCR4 |
Research Abstract |
われわれはマウス脛骨骨髄腔内直接移植(IBMI)法を開発することにより、従来の尾静脈よりの移植法では生着が困難であったヒト膀帯血由来CD34抗原陰性(CD34) SCID-repopulating cell (SRC)の同定に初めて成功した。In vitroトランスウエル遊走試験により、これらのCD34^-SRCだけでなく、CD34^+SRCにもSDF-1に不応性の幹細胞が存在することを明らかにした。いずれのSRCもCXCR4などのホーミング受容体の発現レベルが低く、従来の尾静脈よりの移植法では効率よく骨髄腔内ニッチにホーミングすることができない。そこでIBMI法を用いてこれらのSRCsをNOD/SCIDマウスに移植して、その可塑性について検討した。 CD34^-SRCあるいは、従来最も未分化と考えられていたCD34^+CD38^-SRCを移植したマウスにおいて、骨髄以外の臓器、すなわち、肝臓、心臓、腎臓、腸管、脳、胸腺などを採取し、抗ヒトCD45あるいはHLAclass Iに対する抗体を用いるFACS解析あるいは免疫組織学的方法を用いて幹細胞の可塑性について検討した。その結果、肝臓において有意な数のヒト由来細胞(肝細胞)の存在が確認されたが、FISH法によりその多くはマウス肝細胞との細胞融合の結果形成されたものであることが明らかになった。さらに、マウス肝臓においてCD45^-class I^<high>芽球様細胞の存在が確認されたことから、CD34^-SRCの起源を考える上で興味がもたれた。また、可塑性の解明には、HGF投与下あるいは種々の組織再生ストレス存在下、あるいはより長期の観察が可能な異種間移植系を用いる検討が必要と考えられた。今後、未分化幹細胞の純化方法の改良により、ヒトにおいてもクローナルな解析が可能になると思われた。
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Research Products
(8 results)