2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15039236
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
大沢 匡毅 独立行政法人理化学研究所, 幹細胞研究グループ, 研究員 (10344029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 恵里 独立行政法人理化学研究所, 幹細胞研究グループ, 研究員
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Keywords | 色素細胞 / 幹細胞 / 遺伝子クローニング / 自己複製 |
Research Abstract |
1.色素幹細胞およびそのニッチを構成する細胞に特異的に発現する遺伝子の単離 色素細胞特異的にGFPを発現させたトランスジェニックマウスを作成し、色素幹細胞、分化した色素細胞、および、色素幹細胞の周囲に存在するニッチ様細胞を単離した。それぞれの単一の細胞からcDNAライブラリーを作成し、サブトラクションクローニング法により、色素幹細胞に強く発現する遺伝子またはニッチ様細胞に強く発現する遺伝子をそれぞれ濃縮した。これら濃縮したクローン約7000クローンをピックアップし、純化したDNAをナイロン膜に固定化し、マクロアレーを作成した。このマクロアレーを用いて、ディファレンシャルハイブリダイゼーション法により、幹細胞またはニッチ様細胞に特異的に発現するクローンを選別した。こうして選別したクローン全てについてシークエンス解析を行い、最終的に、約100種類の幹細胞特異的遺伝子と約150種類のニッチ様細胞特異的遺伝子を単離することに成功した。これらの内、幹細胞特異的遺伝子30種類については、RT-PCR法により、実際に遺伝子発現量に差があることを確認している。これらの中には、転写因子、レセプター、増殖因子など、幾つかの興味深い遺伝子が含まれており、現在、これらの遺伝子の幹細胞維持に関わる機能を調べている。 2.色素幹細胞培養系の構築 1.で単離した遺伝子の機能を調べるために、色素幹細胞培養系を用いた簡便なアッセイ系を構築した。色素細胞特異的にGFPを発現させたトランスジェニックマウスから色素幹細胞を単離し、さまざまな培養条件を検討してところ、FGF, SCF存在下で無血清培養したときに、未分化性を保ちながら色素幹細胞を培養できることが判明した。今後、この培養系を用いて、レンチウイルスによる遺伝子を強制発現系を構築する。
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