2003 Fiscal Year Annual Research Report
NMRによるCD44-プロテオグリカン複合体の相互作用解析
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15040205
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺沢 宏明 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (10300956)
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Keywords | 交差飽和法 / CD44 / NMR / 相互作用解析 / プロテオグリカン / ヒアルロン酸 / コンドロイチン硫酸 / 立体構造変化 |
Research Abstract |
CD44は、ヒアルロン酸(HA)やプロテオグリカン(PG)に結合する一回膜貫通型タンパク質であり、細胞接着・シグナル伝達への関与が示唆されている。CD44は、HAやPGに含まれるコンドロイチン硫酸(ChS)を、細胞外N末端側のドメイン(HABD : HA-bidding domain)を介して認識する。CD44 HABDは、HA結合性相同領域であるリンクモジュール(LM)を含む。しかし、CD44はLMのみではHA結合活性を持たず、LM両端の付加配列も必要とする。CD44 HABDは、単体、HA複合体とも立体構造は未解明であり、HA認識における構造生物学的知見は得られていない。 当研究室の開発したNMRを用いた交差飽和法によるタンパク質複合体相互作用界面決定法を、CD44-HA間相互作用解析に適用した。まず、CD44に関する構造情報を得るため、CD44 HABDの二次構造を決定した。その結果、CD44 HABDは、他のHA結合タンパク質とのアミノ酸相同性が高いLMの立体構造を保持していること、さらに付加配列領域においてβシートを形成して広いHA結合面を形成していることが明らかになった。次に、HA結合界面を同定するため、交差飽和法を適用した。HAへのラジオ波照射により、LM内の11残基が選択的にシグナル減衰率20-60%の交差飽和の影響を受けたが、付加配列領域のG152にも同様な交差飽和現象が見られた。この結果は、付加配列領域にもHAと直接結合する領域が存在することを示す。さらに、化学シフト摂動実験を行った結果、顕著な化学シフト変化がLM内の7残基で観測されたが、付加配列においては実に18残基に観測された。これらの結果から、CD44 HABDのリンク・モジュール領域に加え、付加配列のG152近傍もHAと接触し、さらに付加配列全体に構造変化が誘起されることが強く示唆された。今後、HAからChS、さらにPGへと対象分子を展開する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Takeda Mitsuhiro et al.: "Hyaluronan recognition mode of CD44 revealed by cross-saturation and chemical shift perturbation epueriments."J.Biol.Chem.. 278. 43550-43555 (2003)
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[Publications] Takeda Mitsuhiro et al.: "^1H, ^<13>C, ^<15>N backbone resonance assignments of the hyaluronan-binding domain of CD44."J.Biornol.NMR. (in press). (2003)
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[Publications] Takahasi Kiyohiro et al.: "X-ray crystal structure of IRF-3 and its functional implications."Nature Struct.Biol.. 10. 922-927 (2003)