2006 Fiscal Year Annual Research Report
「中世考古学の総合的研究」調整班B02学融合方法論研究ー自然科学・古環境系
Project/Area Number |
15068101
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
酒井 英男 富山大学, 理工学研究部(理学), 教授 (30134993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二宮 修治 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (30107718)
金原 正明 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (10335466)
石田 肇 琉球大学, 医学部, 教授 (70145225)
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Keywords | 考古学 / 地球化学 / 地球電磁気学 / 環境変動 / 人類学 |
Research Abstract |
特定領域会議での班会議のほか,下記の調整班会議を開いた. (1)7月29日に第1回目会議を東大理学部で開き,評価委員の中條先生と共に各班の研究報告と今後の検討を議論した. (2)12月16日-17日,北大総合博物館で第2回目会議を開き,本年度の成果を発表し中條先生と共に議論を行った.同総合博物館の天野先生を始め天野班との意見交換も行い,北海道における研究の概説と博物館資料の説明を受け,今後の北海道での自然科学班の研究展開の議論も行った. 特定領域研究の基本課題である年代について,考古地磁気法では,研究が遅れていた北海道の研究で札幌市・江別市・厚真町の遺構で年代推定の成果が上がった.14C年代推定では,宇治市巨椋地理め立て地の湖沼堆積物による環境変遷史,北海道擦文時代関連,奥州平泉藤原3代関連,十三湊関連の各資料,中国・韓国の古建築部材等の中世遺跡資料の年代研究で成果を得た.また浅間火山の噴火堆積物調査を1783年と1108年の軽石の中間層準で行った. 金原は,近畿地方の環境変動と農耕変遷を調べるため、巨椋池跡のボーリング試料の花粉と珪藻の分析から水田化の進行を検討した.また肥前名護屋城鯱鉾池では名護屋城域の植生環境変遷を復元した.能登では中世の木材利用と開発炭窯・珠洲古窯跡の調査を酒井班と開始した.炭化米のDNA分析では分析に重要な炭化状態の情報について酒井班との研究を開始した. 石田は,北大総合博物館保管のオホーツク文化人骨の調査から北部オホーツク集団に外部からの遺伝子流入を示唆した.鎌倉由比ヶ浜南遺跡の中世人骨では結核菌DNAの抽出を行った.また関東地方の中世人頭蓋は長頭・低顔・歯槽性突顎の傾向が強く,他の時代には認められないほど顕著であることもわかった.
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Research Products
(6 results)