2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15068203
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村井 章介 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (30092349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 公明 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (50171476)
鹿毛 敏夫 新居浜工業高等専門学校, 一般教養科, 助教授 (60413853)
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Keywords | 日本 / 韓国 / 中世 / 港湾 / 都市 / 考古学 / 歴史 / 対外関係 |
Research Abstract |
1.5月12日より18日まで、韓国における港町調査として、昨年度までに実施した西南部と西海岸の調査に引き続き、日本海に面した東海岸および鬱陵島で調査を実施した。半島東海岸では、江陵〜墨湖間のいくつかの港町を調査し、海岸線が比較的単調であり、干満の差が小さいため、港湾の立地もちょっとした湾入を利用しており、水深は比較的深いことを視認し、復元された伝統的漁村を見学した。鬱陵島では、島の中心的港湾である道洞と台霞里を中心に、海神信仰の祀堂などを含め、港町の立地を調査したほか、船で島を一周した。同島は火山島のため、周囲が切り立った地形が多く、港町の背後に平地が少ない。荒天の際には前近代では交通が途絶えることも多かったであろう。 2.2月9日より12日まで、鹿児島県奄美市と喜界町で開かれた「鬼界が島」をテーマとするシンポジウムに参加し、代表者が基調講演を行った。喜界島では現在「城久遺跡」と呼ぶ古代〜中世の大規模な官衙遺跡が発掘中で、朝鮮半島につながる海の道の中でこの海域が果たした役割について、島民を含む多数の参加者と議論を交わした。 3.鬱陵島調査と関連して、同島のあらわれる前近代の文献史料を集成した調査用資料を作成した。同島は江戸時代には日本側から「竹島」と呼ばれ、いわゆる「竹島問題」と深いかかわりをもつ。博物館に「対馬はわが領土」と大書した碑が立ち、日に何便も「独島」ツアー船が出航するという現実を見つつ、前近代の史料からこの領土問題をどう考えるかに資する材料となった。 4.他のプロジェクトとの合同の形で、前近代の東アジア海域を知る材料となる文献史料(『朝鮮王朝実録』「笑雲入明記」等)の講読会に参加し、史料を視る眼を鍛えた。
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Research Products
(11 results)