2005 Fiscal Year Annual Research Report
中世都市遺跡の電磁気調査と^<14>C年代法による編年の研究
Project/Area Number |
15068206
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
酒井 英男 富山大学, 理学部, 教授 (30134993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 浩二 富山大学, 人文学部, 助教授 (10322108)
清水 正明 富山大学, 理学部, 教授 (50162714)
中村 俊夫 名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 教授 (10135387)
南 雅代 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 助教授 (90324392)
小田 寛貴 名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 助手 (30293690)
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Keywords | 考古学 / 地球電磁気学 / 原子物理学 / 自然災害 / 環境変動 |
Research Abstract |
本計画班では,遺跡探査,磁気物性および放射性炭素年代法による研究を行っている.特定領域研究において,年代は基本的な重要な課題である.考古地磁気年代推定法では,研究が遅れている北海道と東北地域での研究を開始した.北海道の,厚真町,札幌市,網走市モヨロ貝塚,斜里町ウトロ遺跡,青森県の十三湊遺跡の焼土を対象に研究した結果,近畿地域で得られている標準的な地磁気変動とは異なる傾向があるが,第一次近似として推定した年代は考古学的年代と良く合っていた.また地震の噴砂の地磁気年代推定および,土器等の遺物の磁化を非破壊で測定して年代を推定する新たな手法の開発も行い,方法の目処がたった. 14C年代測定法については,方法の精度を挙げる研究を進めるとともに,広範囲の資料について研究を実施した.幾つかの成果を示す.奥州平泉藤原3代関連資料について14C年代と資料の歴史年代との比較を進めた.甲賀市信楽町黄瀬ハンシ窯跡の木炭塊の研究から,窯の使用暦年代はAD1223-1294年と推察され,考古学年代とも調和した.鎌倉出土の人骨のゼラチンコラーゲンを研究した結果,中世集団墓地遺跡の人骨は由比ヶ浜南遺跡の人骨に比べて100年程古い傾向が見られた.擦文時代の絶対年代を明らかにする目的で北海道の遺物の研究を行った.擦文・オホーツク・トビニタイ土器では,リザーバー効果のために付着炭化物の14C年代は,使用年代より最大800年程古い値となった.一方,豊富町豊里遺跡・釧路市北斗遺跡・十勝太若月遺跡から出土した生育期間の短い植物資料では,その多くから11〜13世紀初頭の14C年代が得られ,擦文時代終焉時期に関する知見を得た.
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Research Products
(6 results)