2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15068217
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Research Institution | National Research Institute Cultural Properties, Nara |
Principal Investigator |
杉山 洋 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 飛鳥資料館, 学芸室長 (50150066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊池 誠一 昭和女子大学, 人間文化学部, 助教授 (40327953)
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Keywords | カンボディア / 東南アジア / 考古学 / 陶磁器 |
Research Abstract |
本年度の研究 A.日本人町の調査 本年度は6月22日から27日に、ポニャールー第一次発掘調査を行った。調査は昨年度の表採調査の結果によって、遺物の散乱状況などから選定した5地点のうち、教会の基礎が存在するNO.1地点と、最も遺物の採集量の多かったNO.5地点とで行った。 NO.1地点 この地点は以前の研究でも協会と思われる基礎が残っており、日本人町に関係する協会の跡地ではないかとされてきた。今回はまず地形測量を行い、遺存基礎構造の把握に努めた。 NO.5地点 NO.5地点では第一次の発掘調査を行った。トンレサップ川の河岸段丘上の2カ所に小規模なトレンチを2カ所設定した。Aトレンチでは遺物の出土がほとんどなく、河岸段丘の斜面では既に遺物が川へ流されているものと推定された。Bトレンチは河岸段丘上に設定し、かなりの遺物の出土を確認した。調査期間の関係で地山層の確認までには到らなかったので、次年度に再度調査を続行したい。 表採遺物の調査 本年度発掘調査の終了後に、出土遺物の調査を行った。今回は昨年度におもにNO.5地点で表採された中国陶磁の写真撮影と実測調査を行った。 B.窯跡の調査 クメール陶器研究では、昨年度末の第1次調査の成果に基づき第2次調査を2月14日から21日に行った。その結果、焼成室中央部で床面の検出を行い、考古地磁気測定のためのサンプリングを行った。また左右の窯壁を検出することができ、来期以降はこの窯壁を延長する形で、窯体の全容の確認を目指す。
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