2004 Fiscal Year Annual Research Report
教育研究機関における安全対策に関わる教育基盤の構築
Project/Area Number |
15069203
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
植村 榮 京都大学, 工学研究科, 名誉教授 (70027069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 四郎 京都大学, 工学研究科, 教授 (10026198)
堀江 一之 東京大学, 工学系研究科, 名誉教授 (10013690)
木下 知己 京都大学, 工学研究科, 助教授 (10026289)
岡崎 隆男 京都大学, 工学研究科, 助手 (90301241)
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Keywords | 局所排気装置 / 薬品管理システム / 化学物質管理システム / 化学物質の適正管理 |
Research Abstract |
大学での化学実験に伴う研究者の健康リスクを軽減し,環境への汚染物質の排出を抑制するためには洗浄装置付きのドラフト、溶媒回収装置、実験室大気環境のモニタリングシステム、コンピュータネットワークを用いた薬品管理システムなどを各研究室に設置することが望ましい。本研究では設備導入によるリスク削減効果を明らかにし、環境安全学のハード的な側面を明らかにすることを目的とし、有機合成実験を行う際の研究者の健康リスクおよび環境汚染リスクを軽減する設備としてドラフト等の局所排気装置、化学薬品のコンピュータ管理システムを導入した。 ドラフトによる有機溶媒の排出効果については,有機化学実験を行っている状況下でドラフト内外での大気環境濃度を測定し、実験時の作業者への環境リスクについて検討した。その結果、ドラフトを設置している実験室はドラフト未設置の実験室と比較して大気中の有機溶剤濃度が低く抑えられ、ドラフト設置は健康リスク低減に必要不可欠であることが明らかとなった。さらに、ドラフトを稼働させた場合であってもドラフトの設置位置、全面扉の開閉度により作業者の暴露状況が大きく異なる事が明らかとなった。また、化学物質の適正管理を行うために使用している化学物質を一括管理するコンピュータネットワークシステムを導入し、運用を開始した。各研究者が薬品購入時に薬品を登録することにより、各研究者が化学薬品に対する知識と危険性を学ぶこととなり、教育効果がもたらされた。加えて、消防法の規制数量のチェック、PRTR法での報告時の使用量合計などを瞬時に把握することが可能となり、適正管理・作業効率の向上の両面において非常に有効であった。本システムでは薬品の購入量と実験廃液としての廃棄量との差異を把握することも可能であり、今後、実験時の環境大気濃度の調査とリンクさせた検討を行う必要があると考える。
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Research Products
(11 results)