2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15069207
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
伊永 隆史 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (30124788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 一美 東京都立大学, 工学研究科, 助教授 (40151899)
尾張 正則 東京大学, 環境安全研究センター, 教授 (70160950)
竹内 豊英 岐阜大学, 工学部, 教授 (40135322)
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Keywords | 環境科学 / 環境安全学 / マイクロチップ / 環境負荷低減 / ダウンサイジング / 化学実験 / 実験設備 / 環境教育 |
Research Abstract |
マイクロチップ上での化学操作の集積化による器具、装置類のダウンサイジングや試薬、試料、エネルギー消費量等の大幅な減少と、化学物質による暴露リスクや環境負荷を削減可能できる。(1)モデル実験として設定した実験スケールは体積で0.1mLオーダーで、アニリンの減圧蒸留によるセパラブルタイプのフランジ付マイクロガラス器具を作製した。適用したところ、留出率は51.4%と低い値になったが、留出液の体積は0.1mLオーダーであり、スケールダウンに伴う目的物質の損失率増加をかなりの程度で抑えることができた。(2)テトラメトキシシランの加水分解によるモノリス型シリカをin-situでキャピラリー内に作製した。モノリス型シリカキャピラリーカラムは,細孔の特徴に基づいて,従来の1/10程度の圧力で送液できる。その結果,従来の高圧ポンプ送液をガス圧送液に置き換えることが可能となり,システムの省エネルギー化を図ることができる。(3)マイクロチャンネルの内壁に抗体を吸着させることで、試料の拡散距離が短くなり反応効率及び反応速度の向上が見込めると考え、独自の集積化免疫分析システムの構築を試みた。反応時間における蛍光強度の変化を調べたところ、反応時間の増加とともに蛍光強度も増加して、試料の濃度が大きいほど蛍光強度も大きいことが確認できた。(4)パイレックスガラス基板上にマイクロチャネルを構築させ、熱融着法により、カバープレートと張り合わせを行うことで、マイクロ化学リアクターを作製した。マイクロ化学リアクターを合成反応に利用したとき、有用性があることがわかった。 このように、化学実験ガラス器具類のダウンサイジングさらなる高機能化を図ることで、将来はコンビナトリアルケミストリーをマイクロ化学システム上で実現できる可能性を有する。
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