2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15069207
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
伊永 隆史 首都大学東京, 都市教養学部理工学科, 教授 (30124788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾張 真則 東京大学, 環境安全センター, 教授 (70160950)
竹内 豊英 岐阜大学, 工学部, 教授 (40135322)
内山 一美 首都大学東京, 都市環境学部, 准教授 (40151899)
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Keywords | 環境分析 / ダウンサイジング / 環境負荷 / マイクロチップ / マイクロ化学リアクター |
Research Abstract |
必要な試薬量や廃棄量を減らすことが出来るマイクロ化学システムを利用し、マイクロチップの改良に取組み、従来の単層マイクロチップに比べより多くの化学反応を一度に行える、積層マイクロチップを開発した。マイクロチップ上に反応場のみならず、ポンプや検出部などを集積化させることにより、装置の自動化や小型化ができる。パイレックスガラス板上にマイクロチャネルを構築させ、熱融着法によりカバープレートと張り合わせを行うことでマイクロ化学リアクター(MCR)を作製した。アニリンを出発原料とし、塩化ベンジルを反応させて、第2級アミンを合成、MCRとY字チップとを組み合わせて合成実験に供した。これにより、薬品、材料、エネルギー消費等の環境負荷を大幅に減少させることができたと同時に、実験者が受ける化学物質による曝露リスクを低減することが可能となった。 また、高速液体クロマトグラフィー分離カラムのダウンサイジングに取組んだ。マイクロLCは、移動相流量が1〜10μL/minで稼働できるので通常のHPLCの1/100〜1/1000の移動相溶媒の使用量となる。このため、高性能キャピラリーカラムの開発および一日あたり数mLの移動相消費で実施できるマイクロLC送液システムを開発した。従来のHPLC高圧ポンプによる送液をガス圧送液に置き換えることに成功し、分析システム全体の省エネルギー化を図ることも可能であった。 本実験方法は大学の社会的責任(USR)を果たす上でも、非常に重要な役割を担う実験方法だといえる。環境負荷を最小にとどめるとともに安心・安全を確保していくことは今後ますます求められてくるであろう。マイクロ化学システムを利用した本実験は今後の化学実験の指針となる方法であろうと考える。
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Research Products
(7 results)